前回の続きで、超円高について徒然なるままに書き綴ります。
果たして今の円高はどれくらい異常なのか、逆に言うと、どのレベルが妥当なのかを探るのは、簡単ではありません。1990年代後半、アメリカで生活していた頃は、生活実感としてアメリカの物価を知っていたので、1ドル=180~200円くらいだったことはある程度確信をもって言えました。所謂購買力平価と呼ばれるものです。しかし、最近は、アメリカに行くのは年一回、しかもホテルの高い食事や空港の高いスタバの珈琲を楽しむのが関の山で、生活実感から程遠く、よく分かりません。
そこで、英・経済誌エコノミストが発表しているビッグマック指数を調べてみると(1月14日付)、アメリカのUS$4.20に対して日本では1月11日の実勢レート換算でUS$4.16と、ほぼ実勢レート並み(80円弱)の値付けです。しかし、アメリカでマクドナルドと言えば、国民食と言ってもよい、食文化そのもので、当たり前のファーストフード(もっと安売りの店もあるし高級店もある)であるのに対し、日本では、日本食と比較して劣位にあり、牛丼屋などとの競合が激しく、安めの値付けになっているものと想像されます。
もう一つ、トール・ラテ指数(スタバ指数)を調べてみましたが、なかなか最近の価格を見つけられず、ようやく辿り着いたのは2年前のデータで、アメリカの$2.55に対し、日本は370円でした。ただ、スタバでもファーストフードのコカ・コーラでも、飲み物の容器がワン・サイズ違う日・米を比べるなら、アメリカのトール・サイズに対して日本はショート・サイズ320円が妥当であり、その場合、換算レートは125円になります。しかし、マクドナルドと違って、日本でスタバはプレミアム価格で販売されていますので、125円は過大評価されていると考えるべきです。
こうして見ると、80~125円の間に正解がありそうです。ここ10年くらいの間に、デフレが続く日本では、特にインフレ高進するアメリカとの間で、内外価格差が縮小したものと考えられます。長期的には購買力平価が正しいとして、昨今の超円高は、「円高の正体」(安達誠司著、光文社新書)によると、米国の量的緩和により、ドルと円とでマネタリー・ベースに差が出てしまっていることが原因のようです。
今以上の円高を予想するエコノミストもいますが、私としては中期的に円安を期待して、もう暫くガマンでしょうか。
果たして今の円高はどれくらい異常なのか、逆に言うと、どのレベルが妥当なのかを探るのは、簡単ではありません。1990年代後半、アメリカで生活していた頃は、生活実感としてアメリカの物価を知っていたので、1ドル=180~200円くらいだったことはある程度確信をもって言えました。所謂購買力平価と呼ばれるものです。しかし、最近は、アメリカに行くのは年一回、しかもホテルの高い食事や空港の高いスタバの珈琲を楽しむのが関の山で、生活実感から程遠く、よく分かりません。
そこで、英・経済誌エコノミストが発表しているビッグマック指数を調べてみると(1月14日付)、アメリカのUS$4.20に対して日本では1月11日の実勢レート換算でUS$4.16と、ほぼ実勢レート並み(80円弱)の値付けです。しかし、アメリカでマクドナルドと言えば、国民食と言ってもよい、食文化そのもので、当たり前のファーストフード(もっと安売りの店もあるし高級店もある)であるのに対し、日本では、日本食と比較して劣位にあり、牛丼屋などとの競合が激しく、安めの値付けになっているものと想像されます。
もう一つ、トール・ラテ指数(スタバ指数)を調べてみましたが、なかなか最近の価格を見つけられず、ようやく辿り着いたのは2年前のデータで、アメリカの$2.55に対し、日本は370円でした。ただ、スタバでもファーストフードのコカ・コーラでも、飲み物の容器がワン・サイズ違う日・米を比べるなら、アメリカのトール・サイズに対して日本はショート・サイズ320円が妥当であり、その場合、換算レートは125円になります。しかし、マクドナルドと違って、日本でスタバはプレミアム価格で販売されていますので、125円は過大評価されていると考えるべきです。
こうして見ると、80~125円の間に正解がありそうです。ここ10年くらいの間に、デフレが続く日本では、特にインフレ高進するアメリカとの間で、内外価格差が縮小したものと考えられます。長期的には購買力平価が正しいとして、昨今の超円高は、「円高の正体」(安達誠司著、光文社新書)によると、米国の量的緩和により、ドルと円とでマネタリー・ベースに差が出てしまっていることが原因のようです。
今以上の円高を予想するエコノミストもいますが、私としては中期的に円安を期待して、もう暫くガマンでしょうか。