風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

麗しの東京タワー

2012-06-23 15:02:39 | 日々の生活
 東京スカイツリーにいまひとつ惹かれるものがないのは、エッフェル塔に似て、エッフェル塔のように奇抜とまでは言いませんがまだ見慣れていないがために、デビュー当初はどうしても人気が出ないということなのでしょうか。エッフェル塔の場合、反対派の文学者モーパッサンがエッフェル塔1階のレストランによく通ったのは「ここがパリの中で、いまいましいエッフェル塔を見なくてすむ唯一の場所だから」と言ったために、「エッフェル塔の嫌いなやつは、エッフェル塔に行け」という諺まで生まれたそうです(Wikipedia)。
 そういう意味では、昭和の塔、東京タワーのやや容色に衰えが見えた佇まいには、見る者に懐かしさを催させ、安心させます。曲線美はいまなおすっきり見事ですが、ぎこちなく自己主張する大展望台がなんともお垢抜けなくて、高度成長当時の日本を彷彿とさせます。
 その後、エッフェル塔は、パリを代表する名所となり、102歳となった1991年に、この塔を含むパリのセーヌ川周辺が世界遺産として登録されました。東京スカイツリーと隅田川は100年後にはどうなっているでしょうか。それより前に、今秋54歳を迎える東京タワーは、災害時などで東京スカイツリーから電波が送れない場合の予備電波塔として利用されることになっていますが、物理的にそこにあるだけでなく、東京スカイツリーと常に比べられながら、私たちの心の中でどのように成長して行くのでしょうか。
 上の写真は(私は初めて見た)水色の東京タワー(5月11日撮影)。
コメント
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