風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

春爛漫

2013-03-22 22:15:04 | 日々の生活
 かつて年度末になると予算消化のために如何にも意味なさげに道路を掘り返す光景があちらこちらで見られたものですが、さすがに公共事業予算が削られた昨今、目に触れることはなくなりました。しかし私は与えられた有給休暇消化のため(というのはただの枕詞で)、今日はのんびり自宅待機を決め込みました。ぐうたらだった私が、久しぶりに受験生のように集中して準備に余念のなかった東京マラソンが終わって、気の抜けたサイダーのように、ちょっとした五月病に襲われて(ブログも随分サボってしまいました)、気分転換のつもりです。春の陽気に誘われて、子供たちを連れて、近所に散歩がてら食事に出かけることにしました。
 普段は、朝、駅に急ぐだけの通勤経路も、昼間に歩みを緩めてぶらぶらすると、不思議と目に触れるもの全てが新鮮に映ります。とりわけ小学校の校庭や公園の桜が咲き誇って、春の日差しの中に眩しい。朝からつけっぱなしだったテレビによると、桜の開花が早まって、桜祭りを企画していた人たちは急に変更するわけにも行かずアテが外れたり、一週間早めて準備に大わらわだったり、人騒がせな春の到来だったようですが、そんな人間界の欲にまみれた思いなど、どこ吹く風。春風駘蕩とは、まさにこういう様子を言うのでしょう。
 一度、行ってみたいと思っていた地元のイタリアン・レストランの、パスタとサラダと飲み物とデザート込みランチ・セット950円は、お手軽でどうかと思ったら、あにはからんや、最初に出てきたサラダの、すっきり爽やかな、それでいてほんのりコクのあるドレッシングを味わうだけで、美味しいランチになりそうな予感がして、幸せな気分になりました。パスタは、譬えて言えば、普段の社食での食事がハーモニーとは程遠いただの雑音の寄せ集めであるのに比べれば、まるで多重奏を聴くかのような、しっとりと落ち着いて深みのある音に仕上がって、期待に違うことはありませんでした。
 得した気分で、帰りの足取りが軽かったのは、言うまでもありません。上の写真は、近所の小学校の校庭の桜です。熱帯地方の原色の花や刺激の強い食事に比べ、日本の花や食事のなんとも奥ゆかしくほんのりと淡い色合いであり味わいであることか・・・とは、これまでも何度かブログで触れたことではありますが。
コメント
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