先週一週間は海外出張で、途中でブログをアップ出来るかと高をくくっていたら、会社のセキュリティが一段と厳しくなったせいか、あるいは訪問地の通信事情が悪いせいか、ホテルからネットにアクセス出来ず、ちょっと間が空いて、間抜けになってしまいますが、「本気度」で書きたかったことを書いてしまいます。
中国が尖閣諸島上空を含む「防空識別圏」を一方的に設定したことが波紋を呼びました。11月23日のことです。英語では「ADIZ」(Air Defense Identification Zone)と言い、各国が領空の外側に設ける緩衝帯で、英語名から想像されるように、自国領空に接近する外国の航空機を識別し、領空侵犯を防止するために自主的に設定するものです。他国も設定している「防空識別圏」を、中国が設定して何が悪い、という開き直りを、そのまま受け止め、何故、今頃?と詮索する向きもありますが、そもそも中国の言う「防空識別圏」は「もどき」であること、似て非なるもので「防空識別圏」と呼ぶに値しないものであることをあらためて確認する必要があるように思います。
中国は、この空域を飛行する航空機が中国に通告すること、双方向の無線通信を維持すること、機体に国籍を明示することを求めました。そして航空機が識別に協力しなかったり指示に従わなかったりした場合、中国は防御的な緊急措置を取るとしています。つまり、中国は、資源などについてのみ権利が及ぶだけの排他的経済水域(EEZ)において中国が支配する海であるかのように振舞っているのと同様、「防空識別圏」を領空の延長のように見做しているようです。設定された空域は、日本、韓国、台湾の防空識別圏の一部を含むほか、国際法上の一般規則である公海上空の飛行の自由をも不当に侵害するものであり、認められるものではありません。
そのため、アメリカは、25日、爆撃機2機を、中国が設定した「防衛識別圏」に進入させました(が、中国機の緊急発進(スクランブル)も電波妨害も迎撃機もなかったようです)。一説には、中国にはまだ「防空識別圏」を守るだけの監視能力がないと言われますが、その当否は分かりません。いずれにせよ、アメリカは、巡航ミサイルを搭載できる爆撃機B52に何も搭載せず、かつ護衛の戦闘機もつけない裸の航行という配慮を見せたにせよ、中国の主張を意に介さないという意思表示を、すかさず見せた、しかも実力行使した、という意味で、レイムダックと言われ、軍事には生温いオバマ政権にしては、久しぶりの本気度を見た思いがしました。だからと言って、中国が「防空識別圏」を引っ込めることはありません。緊張が高まる東アジア情勢において、現状(status in quo)を破るのは常に中国であり、世界の主要国は非難を浴びせ、NY Timesは「中国の明確な誤算」と書きたてましたが、結局、中国が既成事実をまた一つ積み上げただけに終わり、日本を含め世界は中国の無法な振る舞いを抑止出来ませんでした。鬱屈した気持ちを一瞬でも晴らしてくれた米軍機の航行は、もしかしたら、昭和16年12月8日、真珠湾攻撃に沸いた民衆の思いに通じるのかも知れないと、ふと思いました。
こうした中国の暴挙の背景には、習近平国家主席の新政権が成果を見せなければ、との焦りがあり、更には深刻化する国内矛盾が彼を突き上げていることは想像に難くありません。軍に対する統制がどうなっているのかも気になるところです。中国の際どい内政がどう推移するのか、そんな中国に寄り添う姿勢を見せた韓国が、言わば裏切りにあって、これからどう対応するのか、注目されるところですが、先ずは日本です。民主党政権でなくて良かったと思った人は多かったと思います。平和を望むのはやまやまで、お隣の中国に対して、これまで随分遠慮してきましたが、矛盾する内政に反比例するように対外的な圧力を強める中国に対しては、毅然とした「本気度」を見せつけることは重要であり、その備えが必要であるという現実を、またしても突きつけられた一幕でした。
中国が尖閣諸島上空を含む「防空識別圏」を一方的に設定したことが波紋を呼びました。11月23日のことです。英語では「ADIZ」(Air Defense Identification Zone)と言い、各国が領空の外側に設ける緩衝帯で、英語名から想像されるように、自国領空に接近する外国の航空機を識別し、領空侵犯を防止するために自主的に設定するものです。他国も設定している「防空識別圏」を、中国が設定して何が悪い、という開き直りを、そのまま受け止め、何故、今頃?と詮索する向きもありますが、そもそも中国の言う「防空識別圏」は「もどき」であること、似て非なるもので「防空識別圏」と呼ぶに値しないものであることをあらためて確認する必要があるように思います。
中国は、この空域を飛行する航空機が中国に通告すること、双方向の無線通信を維持すること、機体に国籍を明示することを求めました。そして航空機が識別に協力しなかったり指示に従わなかったりした場合、中国は防御的な緊急措置を取るとしています。つまり、中国は、資源などについてのみ権利が及ぶだけの排他的経済水域(EEZ)において中国が支配する海であるかのように振舞っているのと同様、「防空識別圏」を領空の延長のように見做しているようです。設定された空域は、日本、韓国、台湾の防空識別圏の一部を含むほか、国際法上の一般規則である公海上空の飛行の自由をも不当に侵害するものであり、認められるものではありません。
そのため、アメリカは、25日、爆撃機2機を、中国が設定した「防衛識別圏」に進入させました(が、中国機の緊急発進(スクランブル)も電波妨害も迎撃機もなかったようです)。一説には、中国にはまだ「防空識別圏」を守るだけの監視能力がないと言われますが、その当否は分かりません。いずれにせよ、アメリカは、巡航ミサイルを搭載できる爆撃機B52に何も搭載せず、かつ護衛の戦闘機もつけない裸の航行という配慮を見せたにせよ、中国の主張を意に介さないという意思表示を、すかさず見せた、しかも実力行使した、という意味で、レイムダックと言われ、軍事には生温いオバマ政権にしては、久しぶりの本気度を見た思いがしました。だからと言って、中国が「防空識別圏」を引っ込めることはありません。緊張が高まる東アジア情勢において、現状(status in quo)を破るのは常に中国であり、世界の主要国は非難を浴びせ、NY Timesは「中国の明確な誤算」と書きたてましたが、結局、中国が既成事実をまた一つ積み上げただけに終わり、日本を含め世界は中国の無法な振る舞いを抑止出来ませんでした。鬱屈した気持ちを一瞬でも晴らしてくれた米軍機の航行は、もしかしたら、昭和16年12月8日、真珠湾攻撃に沸いた民衆の思いに通じるのかも知れないと、ふと思いました。
こうした中国の暴挙の背景には、習近平国家主席の新政権が成果を見せなければ、との焦りがあり、更には深刻化する国内矛盾が彼を突き上げていることは想像に難くありません。軍に対する統制がどうなっているのかも気になるところです。中国の際どい内政がどう推移するのか、そんな中国に寄り添う姿勢を見せた韓国が、言わば裏切りにあって、これからどう対応するのか、注目されるところですが、先ずは日本です。民主党政権でなくて良かったと思った人は多かったと思います。平和を望むのはやまやまで、お隣の中国に対して、これまで随分遠慮してきましたが、矛盾する内政に反比例するように対外的な圧力を強める中国に対しては、毅然とした「本気度」を見せつけることは重要であり、その備えが必要であるという現実を、またしても突きつけられた一幕でした。