以前、このブログで、台湾の「ひまわり学生運動」について触れたことがありました。これは、当時、台湾・馬英九政権のサービス貿易協定締結をはじめとする親中政策、ひいては台湾の中国化への反発だとされています(http://blog.goo.ne.jp/mitakawind/d/20140408)。そして今、香港が騒然とし始めています。
中国(第12期全人代・常務委)が2017年の香港次期行政長官選挙で民主派の候補を事実上排除する決定をしたことを受け、民主派ら数百人が、昨晩、香港中心部で抗議行動を行い、さらに、ニューヨークで起きた「ウォール街を占拠せよ」にならって、金融街「セントラル(中環)」を大群衆で占拠する抗議行動を9月中にも実行に移す構えを見せているそうです。
折しも同じ「一国二制度」下にあるマカオで、行政長官選が行われ、親中派が多数を占める選挙委員会によって親中派の現職が再選されました。中国としては、こうして親中派を通じてコントロールしたマカオの行政長官の再選劇を、香港でも再現したい考えのようです。
これに先立ち、エコノミスト誌7/19~25号は、英国は香港の自由を守るために毅然たる態度をとるべきだとして、今回の香港の民主化運動に対する英国の沈黙を批判したそうです。その中で、最近の動きを追っていますが、英国政府は如何にも弱腰です。
・北京が6月に発表した「香港白書」は、香港の自治はあくまで北京が許容する範囲内のものだとし、さらに、香港の裁判官にも「愛国的であること」、つまり、中国の国益を尊重することを要求した。これは、コモン・ローに基づく香港の英国式システムとは矛盾し、司法の独立を脅かす。
・白書を出した翌週には、李克強首相が英国を公式に訪問し、通常は国家元首の特権である女王との会見を許された(英王室のプロトコルに反する、異例の厚遇である)。中国は、2年前、キャメロン首相がダライ・ラマと会って以来、英国を冷遇してきたが、今回、李は240億ドル相当の取引に調印した。これは、過去を水に流そうという中国側からのシグナルだった。
・今月、英外務省が年2回出す香港報告の最新版が出たが、その中に「香港白書」や北京への批判は一切なかった。
こうした中国への宥和姿勢は、英国に限ったことではなく、ドイツやフランスをはじめとする欧州諸国も似たり寄ったりであり、今や中国は欧州の取り込みに成功しているとまで言われます。以前、このブログで、東南アジア諸国が、親中(カンボジア、ラオス)と中国離れ(フィリピン、ベトナム、最近はミャンマーも)とその中間(シンガポール、マレーシア、タイ)へと分断されているとする分析を引用したことがありました。アメリカが、サイバー攻撃問題や東アジアでの領有権問題で、中国との間の緊張感を高めていることを考えると、欧米も分断されている状況だと言えます。中国は、10年前に、天安門事件後の武器禁輸措置を解除するようEUに働きかけたことがありましたが、米国の反対により挫折したことがありました。中国の軍事的台頭は、日本にとって(かつ同盟国である米国にとっても)現実的な地政学的脅威ですが、欧州は地理的に離れていることから、伝統的に、武器を世界に拡散する困った存在程度にしか見ていません。
台湾や香港における中国化の進展は、東アジアの安全保障環境に重大な変化をもたらします。台湾同様、香港の動向も注視したいと思います。
中国(第12期全人代・常務委)が2017年の香港次期行政長官選挙で民主派の候補を事実上排除する決定をしたことを受け、民主派ら数百人が、昨晩、香港中心部で抗議行動を行い、さらに、ニューヨークで起きた「ウォール街を占拠せよ」にならって、金融街「セントラル(中環)」を大群衆で占拠する抗議行動を9月中にも実行に移す構えを見せているそうです。
折しも同じ「一国二制度」下にあるマカオで、行政長官選が行われ、親中派が多数を占める選挙委員会によって親中派の現職が再選されました。中国としては、こうして親中派を通じてコントロールしたマカオの行政長官の再選劇を、香港でも再現したい考えのようです。
これに先立ち、エコノミスト誌7/19~25号は、英国は香港の自由を守るために毅然たる態度をとるべきだとして、今回の香港の民主化運動に対する英国の沈黙を批判したそうです。その中で、最近の動きを追っていますが、英国政府は如何にも弱腰です。
・北京が6月に発表した「香港白書」は、香港の自治はあくまで北京が許容する範囲内のものだとし、さらに、香港の裁判官にも「愛国的であること」、つまり、中国の国益を尊重することを要求した。これは、コモン・ローに基づく香港の英国式システムとは矛盾し、司法の独立を脅かす。
・白書を出した翌週には、李克強首相が英国を公式に訪問し、通常は国家元首の特権である女王との会見を許された(英王室のプロトコルに反する、異例の厚遇である)。中国は、2年前、キャメロン首相がダライ・ラマと会って以来、英国を冷遇してきたが、今回、李は240億ドル相当の取引に調印した。これは、過去を水に流そうという中国側からのシグナルだった。
・今月、英外務省が年2回出す香港報告の最新版が出たが、その中に「香港白書」や北京への批判は一切なかった。
こうした中国への宥和姿勢は、英国に限ったことではなく、ドイツやフランスをはじめとする欧州諸国も似たり寄ったりであり、今や中国は欧州の取り込みに成功しているとまで言われます。以前、このブログで、東南アジア諸国が、親中(カンボジア、ラオス)と中国離れ(フィリピン、ベトナム、最近はミャンマーも)とその中間(シンガポール、マレーシア、タイ)へと分断されているとする分析を引用したことがありました。アメリカが、サイバー攻撃問題や東アジアでの領有権問題で、中国との間の緊張感を高めていることを考えると、欧米も分断されている状況だと言えます。中国は、10年前に、天安門事件後の武器禁輸措置を解除するようEUに働きかけたことがありましたが、米国の反対により挫折したことがありました。中国の軍事的台頭は、日本にとって(かつ同盟国である米国にとっても)現実的な地政学的脅威ですが、欧州は地理的に離れていることから、伝統的に、武器を世界に拡散する困った存在程度にしか見ていません。
台湾や香港における中国化の進展は、東アジアの安全保障環境に重大な変化をもたらします。台湾同様、香港の動向も注視したいと思います。