風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

訪欧(中)イタリアのコーヒー

2015-02-14 00:16:23 | 永遠の旅人
 イスタンブールから、再びトルコ航空で、次の訪問地イタリア・ミラノに向かいました。
 ミラノには、かつて個人旅行でドゥオーモや「最後の晩餐」のある教会を見に行ったことがありますが、今回は、到着したマルペンサ空港から、そんな市街地をかすりもせず、市街地を越えて対面にあるリナーテ空港界隈に到着した頃には、夜8時をまわっていました。その日はホテルで食事を済ませて寝るだけ。そのため、丸一日のイタリア滞在で印象に残っているのは、コーヒーの話です。
 イタリアのコーヒーと言えばエスプレッソ。初めて本場の味を口にしたのは、かれこれ四半世紀前、個人旅行でローマを訪れ、折角なので「ローマの休日」よろしくスペイン広場で先ずはアイスクリームを食べてから、傍のコンドッティ通り86番地、1760年に開業したという歴史的なカフェ・グレコに立ち寄ったときのことでした(なんともミーハーな行動パターンです)。ゲーテやスタンダールやイプセンやアンデルセン、音楽家ではリストやメンデルスゾーンも訪れたという、伝説のカフェのエスプレッソですから、日本の喫茶店のように、サイフォン式なのか、さもなければ気難しそうなオヤジが自らとぽとぽ湯を注いでくれるのか・・・と思いきや、機械式だったのには驚かされました。しかも、量が少ない。しかし・・・実に美味い!
 今回、昼食をとりながら、イタリア人の同僚から聞かされたコーヒーの話に、再び驚かされました。スタバ?のテイストなんて邪道。コーヒーは飲むのに30秒とかけるものではない・・・と。
 さらにイタリアにはスタバが進出していないと聞きましたので、ググってみると、確かに一店も出店していないという記事がぞろぞろ出て来ました。寄せられたコメントに曰く、イタリアにはとにかくチェーン店が少ない。飲食業が深夜営業できないのが法律でも定められているので、チェーン店が進出しにくい。独自のバールの文化が根付いている。カフェ文化がとても浸透していて、各都市に美味しい本物のカフェバーがある。イタリアのバールは基本的に立ち飲みで、エスプレッソ一杯が日本円で約90円と格安なので、とても気軽に入れる。立ち飲みでクイッっと飲んですぐ出て行ってしまう。等々。まさに。
 そう言えば、オーストラリアのシドニーでも、イタリア移民のカフェが街中にあって、駐在していた6年ほど前、「スタバ撤退」のニュースを聞いて、さもありなんと納得したものでした。そして私はご多聞に漏れずイタリアン・コーヒーの虜に・・・。そうは言っても、オーストラリアは原理主義ではありませんので、エスプレッソを「ショート」と呼ぶのに対して、ダブルあるいは馴染みのサイズのコーヒーを「ロング」と呼んで、普通に提供していました。私は「ショート」ではどうしても物足りなくて、いつも「ロング・ブラック」。
 さりとて、その昔、「違いが分かる男のゴールド・ブレンド」なんてテレビCMがありましたが、私に違いなど分かろうはずもなく、イタリアン・コーヒーも好きですが、スタバ・フリークでもあります。念のため。
 本日の話題はイタリアでしたが、上の写真は、トルコ航空の機内で振舞われた菓子。イスタンブールの空港で見つけて、つい買ってしまいました。
コメント
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