事実上の国民(再)投票と言われたイギリス下院・総選挙で、ジョンソン首相が率いる与党・保守党が大勝し、1月末でのEU離脱が確実になった。
定数650だから過半数326のところ、改選前の298から364議席へと、保守党としてはサッチャー政権下の1987年の総選挙以来となる大勝利を収めたということだ。さすがのイギリス国民も「決められない政治」にほとほと愛想が尽きてしまったと見える。外野で見て来た私たちだって、3年前なら焦っていただろうが、ことここに至っては、いい加減どちらかに決めたら!?・・・という気持ちである(苦笑) 実際、数週間前にあるシンポジウムを傍聴したとき、欧州専門の政治学者は異口同音に、この三年半で、イギリスなき後のEU(逆にEU離脱後のイギリス)について十分に頭の体操(シミュレーション)が出来た、つまり心の準備は出来ている、と言っていた。結局、多少の地盤沈下はあるにしても、(今の)イギリスは所詮は(かつての)イギリス(欧州大陸から少し離れた島国で、バランサーとして大陸の権力政治を外からコントロールしてきた大英帝国の成れの果て)であって、たとえ主権の一部であっても上位組織のEUに委譲するなんざあ許せない、ということなのだ。これぞイギリスの心意気と言うべきだろう(笑)。それに、EU離脱と言っても、別に喧嘩別れするわけではなく、依然、イギリスはEUのパートナーであることに変わりない。EU軍への傾斜は恐らく反転するだろうが、その分、NATOの存在感が高まるだけのことだ。安倍さんは早速、イギリスがTPPに加入したいなら歓迎すると語ったようだ。
そうは言っても、そのシンポジウムで、イギリスが離脱した後のEUのリーダーシップを懸念する声が、これも異口同音にあがっていた。これまで独・仏・英という個性ある三つの大国が結果としてバランスよくリードして来たが、イギリスが抜けると独・仏の二ヶ国になり、しかも独はリーダーシップをとる気がない・・・これについては時間の制約があって詳しく聞くことが出来なかったが(第一次~第二次世界大戦のトラウマだろうか・・・そうだとすれば、今の日本に似ている・・・)フランスだけで大丈夫か、というようなニュアンスだった。なにしろド・ゴールを生んだフランスでもあるし・・・。
冷戦後、ソ連が凋落したと言っても新たに中国が台頭し、覇権国として世界の公共財を提供して来たアメリカが、あんな調子で内向きの自国第一主義モードに入ってしまって、やはりEUとしてまとまらなければ、EU諸国の未来は決して明るくないだろうし、イギリスだっておめおめと地盤沈下することもないだろう(多分)。日本人としては、益々大国化する中国を包囲するとまでは言わないが、国際社会に包摂して行くために、日・米・EUの連携は欠かせないから、今後のイギリスやEUの動向は気がかりであり、注目したい。
上の写真は、三日前の都内の某所・・・というか椿山荘。ちょっと季節外れに見えるが、なかなかどうして依然、風情がある。
定数650だから過半数326のところ、改選前の298から364議席へと、保守党としてはサッチャー政権下の1987年の総選挙以来となる大勝利を収めたということだ。さすがのイギリス国民も「決められない政治」にほとほと愛想が尽きてしまったと見える。外野で見て来た私たちだって、3年前なら焦っていただろうが、ことここに至っては、いい加減どちらかに決めたら!?・・・という気持ちである(苦笑) 実際、数週間前にあるシンポジウムを傍聴したとき、欧州専門の政治学者は異口同音に、この三年半で、イギリスなき後のEU(逆にEU離脱後のイギリス)について十分に頭の体操(シミュレーション)が出来た、つまり心の準備は出来ている、と言っていた。結局、多少の地盤沈下はあるにしても、(今の)イギリスは所詮は(かつての)イギリス(欧州大陸から少し離れた島国で、バランサーとして大陸の権力政治を外からコントロールしてきた大英帝国の成れの果て)であって、たとえ主権の一部であっても上位組織のEUに委譲するなんざあ許せない、ということなのだ。これぞイギリスの心意気と言うべきだろう(笑)。それに、EU離脱と言っても、別に喧嘩別れするわけではなく、依然、イギリスはEUのパートナーであることに変わりない。EU軍への傾斜は恐らく反転するだろうが、その分、NATOの存在感が高まるだけのことだ。安倍さんは早速、イギリスがTPPに加入したいなら歓迎すると語ったようだ。
そうは言っても、そのシンポジウムで、イギリスが離脱した後のEUのリーダーシップを懸念する声が、これも異口同音にあがっていた。これまで独・仏・英という個性ある三つの大国が結果としてバランスよくリードして来たが、イギリスが抜けると独・仏の二ヶ国になり、しかも独はリーダーシップをとる気がない・・・これについては時間の制約があって詳しく聞くことが出来なかったが(第一次~第二次世界大戦のトラウマだろうか・・・そうだとすれば、今の日本に似ている・・・)フランスだけで大丈夫か、というようなニュアンスだった。なにしろド・ゴールを生んだフランスでもあるし・・・。
冷戦後、ソ連が凋落したと言っても新たに中国が台頭し、覇権国として世界の公共財を提供して来たアメリカが、あんな調子で内向きの自国第一主義モードに入ってしまって、やはりEUとしてまとまらなければ、EU諸国の未来は決して明るくないだろうし、イギリスだっておめおめと地盤沈下することもないだろう(多分)。日本人としては、益々大国化する中国を包囲するとまでは言わないが、国際社会に包摂して行くために、日・米・EUの連携は欠かせないから、今後のイギリスやEUの動向は気がかりであり、注目したい。
上の写真は、三日前の都内の某所・・・というか椿山荘。ちょっと季節外れに見えるが、なかなかどうして依然、風情がある。