前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

ああ無情 介護保険

2009年04月21日 | Weblog
   先日、福井市西下野にある老人保健施設「あじさい」をたずね、佐野誠事務長から「改悪」された介護保険制度の現場での実態をお聞きした。かねもと幸枝さん、西村きみ子市会議員、それに私。以下、佐野さんからお聞きした内容。

●介護報酬はこの間、マイナス5%。8年目ぐらいから離職者が増えた。この施設でも「出入り」多い。こういうなかで、「高齢者をきちんとみることができない」という問題が各地の施設でおこっている。
●今回の介護報酬アップはこういう実態を考えたもの。しかし、3%アップといっても、在宅で1.7%、施設で1.3%しかあがらない。また、サービス加算で320円増えたが、リハビリの250円、栄養士の120円の加算がなくなった。結局、新たな加算をとらないと収入は増えない仕組みだ。仮に、アップ分を人件費に回しても、うちのような施設なら月2000円~3000円ぐらいではないか。
●問題は、利用者が利用できる枠は拡大されていないこと。加算で負担が増える。通所などの方は、利用限度額を超えてしまい、利用できなくなる。たとえば、デイケア4回利用していたのを1~2回減らさざるをえなくなる、とかになってくる。
●介護認定では、2割ぐらいの方が低くでる。
●これによって、施設の収入も経る。
●1ヶ月の入所負担も、4人部屋で8万9000円、ユニット型で13万円、個室で10万円。前のような制度にしていかないと大変だ。

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   こういう話をきくと思い出すことがあります。介護保険導入当時、県議会で福井県独自の介護支援金の廃止を私は問題にしていました。これは、在宅で介護をされている家族の方に県が支給していた心ばかりのお金でした。私は廃止に反対しました。県幹部は、「これからは介護保険制度で、社会的な介護となりますのでその必要はなくなります」と答弁し、廃止を強行したのです。

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  しかし、実態は「保険あって介護なし」。制度の抜本改革が必要です。
自民党、公明党がすすめている毎年の社会保障費2200億円の削減をただちにやめるべきです。
介護保険がはじまった時には、介護費用の50%だった国の負担が、22.8%まで引き下がっています。
7兆円も税金を安くしている大企業減税や株取引減税こそ中止し、国民の命と暮らしに責任をもつ政治に変えることがもとめられます。
   福井県も、新幹線を叫ぶより、「健康長寿」を謳う県として、「介護支援金」を復活してもいいのではないでしょうか。