朝日・・・・・水道代45%値上げも 越前市、時代とずれる受水計画
2010年12月24日
越前市で水道料金が最大で45%値上げになる可能性が浮上している。県から提供を受ける水が増え、支払いが高額になるからだ。背景には、膨大な費用をつぎ込んだ桝谷ダム(南越前町)と、人口と需要の減少を見通せなかった受水計画があり、市民の間では値上げ反対運動も起きている。
越前市は2006年から、県が浄水した桝谷ダムの水を受け始めた。それまで地下水をくみ上げて供給していたが、ダムからの受水に並行して単価の安い地下水のくみ上げを段階的に縮小してきた。現在は県の水が配水量の6割以上を占め、13年度以降はほぼ全てになる。
市水道課は購入する理由について、地下水は水質が今後も保てるかわからないため、安定的に水源を確保する必要があったと説明する。
県の水の価格は1立方メートル113円。市は今年度、県から1日に1万7500立方メートルを購入し、計約7億2千万円を支払う。11年度は2万立方メートル、12年度には2万2500立方メートルと増やし、13年度以降は毎日2万5千立方メートルの水を受ける計画になっている。現在の単価で計算すると、13年度以降は年間約10億3千万円かかる。増額分を埋めるのが、値上げの大きな理由だ。
この額を料金に転嫁した場合、平均45%ほど値上げになる。平均使用量20立方メートルで月2190円が、13年度には3315円になる計算だ。市は08年にも40%値上げ済み。単価の高い水をより多く買う必要に迫られ、再値上げを余儀なくされた格好だ。再値上げの試案は有識者でつくる市の水道料金協議会に提出された。
1立方メートル113円。総務省の08年度の地方公営企業年鑑では全国平均の給水原価は84.82円で、県の水は相当割高だ。豊富で安い地下水があるのに高い水を購入するのは、市が県から責任を持って水を購入するとした契約があるからだ。
県公営企業経営課によると、丹南地域の自治体が県に水を供給して欲しいと要望し、1978年に県知事に受水計画を提出。これを受けて、県は当時、国が農業用水用に進めていた桝谷ダムの事業に参加した。
桝谷ダムは計画当初の事業費が約340億円だったが、05年の完成時には4倍近い約1200億円が投入されていた。水道や治水事業を後付けして事業費が膨らみ、県の負担金も大幅に増加した。
さらに、県は桝谷ダム下流の日野川から取水する浄水場を04年に着工。約250億円を投入した最新鋭の浄水場も含め、水道事業での県負担が約471億円と試算、113円を決定した。
78年に提出した受水計画は、経済成長と人口増による需要増を見込んで決めたもの。だが、節水機能の高い設備や家電製品の普及に加え、景気が冷え込み、人口減に直面した。05年以降、給水量は毎年1~5%減り続ける。契約で県からの受水量は変えられないため、単価の高い県の水の割合が高まった。・・・・・・・・
★
昨日ひらかれた協議会では、35パーセントの引き上げ計画がしめされた。県水の単価は100円。
市民からすれば、納得のいかない大幅値上げだ。同様のことは福井市にも影響してくる。
記事にあるように、「小さく生んで大きく育てる」典型であるダム事業の問題、そして人口など社会構成の変化に対応できない計画の問題など多々あると思う。
わたしも県議の時に、この問題は繰り返し批判したし、地元の前田修治市議、玉村正夫市議らとともに県との交渉もおこなってきた。
わたしの議会本会議での反対討論に、武生選出の自民党議員が「ダムはもうできてしまった。反対しても遅い」などと野次をとばしたことがあったが、まさに無責任な「後は野となれ、山となれ」の態度だった。
足羽川ダムは、住民のみなさんや日本共産党の反対運動もあり、計画が大幅に遅れ、福井市も県も国から高い水を買う契約を解除できた。
桝谷ダムの二の舞は回避できたのである。
福井空港も同様であり、いま窮地に陥っている他県の地方空港のような「苦難」を回避できたわけ。
20年、30年先の社会を完全に見通すことは難しいが、政治家は最大限その努力をしないといけないと思う。
いま、問題を指摘している新幹線計画にしても30年後は「超高齢化社会」となることを考えれば、ほかに優先すべきことがあるのではないか。
2010年12月24日
越前市で水道料金が最大で45%値上げになる可能性が浮上している。県から提供を受ける水が増え、支払いが高額になるからだ。背景には、膨大な費用をつぎ込んだ桝谷ダム(南越前町)と、人口と需要の減少を見通せなかった受水計画があり、市民の間では値上げ反対運動も起きている。
越前市は2006年から、県が浄水した桝谷ダムの水を受け始めた。それまで地下水をくみ上げて供給していたが、ダムからの受水に並行して単価の安い地下水のくみ上げを段階的に縮小してきた。現在は県の水が配水量の6割以上を占め、13年度以降はほぼ全てになる。
市水道課は購入する理由について、地下水は水質が今後も保てるかわからないため、安定的に水源を確保する必要があったと説明する。
県の水の価格は1立方メートル113円。市は今年度、県から1日に1万7500立方メートルを購入し、計約7億2千万円を支払う。11年度は2万立方メートル、12年度には2万2500立方メートルと増やし、13年度以降は毎日2万5千立方メートルの水を受ける計画になっている。現在の単価で計算すると、13年度以降は年間約10億3千万円かかる。増額分を埋めるのが、値上げの大きな理由だ。
この額を料金に転嫁した場合、平均45%ほど値上げになる。平均使用量20立方メートルで月2190円が、13年度には3315円になる計算だ。市は08年にも40%値上げ済み。単価の高い水をより多く買う必要に迫られ、再値上げを余儀なくされた格好だ。再値上げの試案は有識者でつくる市の水道料金協議会に提出された。
1立方メートル113円。総務省の08年度の地方公営企業年鑑では全国平均の給水原価は84.82円で、県の水は相当割高だ。豊富で安い地下水があるのに高い水を購入するのは、市が県から責任を持って水を購入するとした契約があるからだ。
県公営企業経営課によると、丹南地域の自治体が県に水を供給して欲しいと要望し、1978年に県知事に受水計画を提出。これを受けて、県は当時、国が農業用水用に進めていた桝谷ダムの事業に参加した。
桝谷ダムは計画当初の事業費が約340億円だったが、05年の完成時には4倍近い約1200億円が投入されていた。水道や治水事業を後付けして事業費が膨らみ、県の負担金も大幅に増加した。
さらに、県は桝谷ダム下流の日野川から取水する浄水場を04年に着工。約250億円を投入した最新鋭の浄水場も含め、水道事業での県負担が約471億円と試算、113円を決定した。
78年に提出した受水計画は、経済成長と人口増による需要増を見込んで決めたもの。だが、節水機能の高い設備や家電製品の普及に加え、景気が冷え込み、人口減に直面した。05年以降、給水量は毎年1~5%減り続ける。契約で県からの受水量は変えられないため、単価の高い県の水の割合が高まった。・・・・・・・・
★
昨日ひらかれた協議会では、35パーセントの引き上げ計画がしめされた。県水の単価は100円。
市民からすれば、納得のいかない大幅値上げだ。同様のことは福井市にも影響してくる。
記事にあるように、「小さく生んで大きく育てる」典型であるダム事業の問題、そして人口など社会構成の変化に対応できない計画の問題など多々あると思う。
わたしも県議の時に、この問題は繰り返し批判したし、地元の前田修治市議、玉村正夫市議らとともに県との交渉もおこなってきた。
わたしの議会本会議での反対討論に、武生選出の自民党議員が「ダムはもうできてしまった。反対しても遅い」などと野次をとばしたことがあったが、まさに無責任な「後は野となれ、山となれ」の態度だった。
足羽川ダムは、住民のみなさんや日本共産党の反対運動もあり、計画が大幅に遅れ、福井市も県も国から高い水を買う契約を解除できた。
桝谷ダムの二の舞は回避できたのである。
福井空港も同様であり、いま窮地に陥っている他県の地方空港のような「苦難」を回避できたわけ。
20年、30年先の社会を完全に見通すことは難しいが、政治家は最大限その努力をしないといけないと思う。
いま、問題を指摘している新幹線計画にしても30年後は「超高齢化社会」となることを考えれば、ほかに優先すべきことがあるのではないか。