前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

福井県原子力安全専門委員会を傍聴、中川委員長あてに申し入れをおこないました。

2012年04月17日 | Weblog
    関西電力大飯原子力発電所3,4号機を巡り、枝野経済産業大臣が14日に福井県に運転再開を要請したことを受けて、福井県は、福井県原子力安全専門委員会を昨日開催し、私も傍聴しました。

    原子力安全・保安院の担当者が、「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準」「判断材料に対する大飯発電所3,4号機の対応状況」などについて、「判断基準が拙速、との意見があるが1年以上の積み重ねがある」「30の安全対策は新しい制度の下で、指針・基準となるものであり、事業者の取り組み姿勢をみていく」などと説明しました。

    委員からは「他国と比べてなにが日本の問題か」と問われ、保安院は「シビアアクシデント対策は世界水準からかなり遅れをとってきた。事業者の自主的対応としてきた。大きな反省だ。新たな規制制度の下で位置付けていく」と答えました。

     また、保安院は免震重要棟について、「確認しているのは実行計画のみ。できるであろう、という見込み。詳細な計画はだされていない」など無責任な答弁をおこないました。そして、委員から「完成までに大津波きたら大丈夫か」と問われ、「福島クラスの地震・津波では炉心損傷ない。さらに、炉心損傷にいたった場合には免震棟が必要、との考え方だ」と開き直りました。

     さらに、委員から「福島のように計器類が確認できなくなったらどうするのか」と聞かれ、「電源供給が大事だ。高温高圧のなかで誤差あった。どうするかは、研究をかさねる」と答弁。「地震の影響がなかったことをどう確認するのか」と問われ、「現場での確認はできない。パラメーターや運転員の証言からの情報だ。高温高圧の過酷な状況と地震の影響が区別できるのかどうか、の問題もある」などと福島原発事故未解明のなかで強引にすすめられている再稼働の問題点が浮かび上がりました。委員からは「シビアアクシデント対策されないまま再稼働はダメだ」との意見もだされました。

     しかし、専門委員会では18日に大飯原発調査をおこなうことを決めるなど、枝野大臣来福後に委員会開催と現地調査を矢継ぎ早に計画するなど結論を急いでいる様子もみられます。
今日、代表者会議を開催する県議会の議論とともに月末にかけて正念場を迎えます。


            ★


     私は昨日、福井県原子力安全専門委員会の中川英之委員長あてに委員会の審議について申し入れをおこないました。事務局である岩永原子力安全対策課長が応対しました。

     申し入れ内容は、① かつて「もんじゅ安全性調査検討専門委員会」では専門家の委員による討議の後、傍聴している県議会議員、住民からの質疑をうけつけ、「県民目線で議論を尽くす」という努力をしていた。「県議会議員からの質疑」「住民からの質疑」の時間を設けること、②「安全性、必要性」について政府の説明を分析検証している県内外の専門家・機関を参考説明人として招いて慎重に議論すること、③委員会として「結論」をまとめるにあたり「素案」の段階で、県民の関心にこたえてなるべく全委員出席のもとで「県民説明会」を開催し、その際、県民からの意見聴取と回答に十分な時間を保障すること、の3点です。

     岩永課長は、「申し入れの内容は委員長に伝えます」と答えました。


    以下、申し入れ文です。

■2012年年4月16日

福井県原子力安全専門委員会

      委員長 中川英之様

                    日本共産党福井県議会議員団  佐藤正雄


 福井県の原子力行政についていつも熱心なご活動に敬意を表します。

先日、14日に枝野経済産業大臣が来福され、西川知事、県議会議長に大飯原発再稼働について要請がなされました。

しかし、先生も御承知のように国民県民の間では「福島原発事故も終わっていないのに再稼働は心配だ」との広範な反対の声があります。

 そこで、福井県原子力安全専門委員会として、かかる世論に専門家の立場から応えていただきたく以下の点を要望いたしますので、委員会におはかりくださるようお願いいたします。

              記

① かつて、福井県が組織した「もんじゅ安全性調査検討専門委員会」では専門家の委員による討議の後、傍聴している県議会議員、住民からの質疑をうけつけ、「県民目線で議論を尽くす」という努力をされていました。

 「もんじゅ」の時以上に、原子力のすすめ方についての県民世論が高まっていることを踏まえて、「県議会議員からの質疑」「住民からの質疑」の時間を設けていただきたい。

② 議事について、電力事業者と原子力安全・保安院という「原子力推進の立場」の説明だけでは、「抜け落ちる視点」があると思います。福島原発事故をふまえ、国の各種委員会では従来原子力に批判的な学者も構成員に加えて議論しています。県の委員会としても「安全性、必要性」について政府の説明を分析検証している県内外の専門家・機関を参考説明人として招いて慎重に議論していただきたい。

③ 委員会として「結論」をまとめるにあたり「素案」の段階で、県民の関心にこたえてなるべく全委員出席のもとで「県民説明会」を開催していただきたい。

  その際、県民からの意見聴取と回答に十分な時間を保障してください。


                                              以上