前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県議会。原子力防災計画、5キロ圏に限るなどの案を批判。県民の不安に応えよ

2013年03月13日 | Weblog
  昨日は福井県議会原子力発電・防災対策特別委員会でした。夜は福井市9条の会で5月3日の憲法記念日にアオッサホールで開催するつどいへの取り組みなどを相談しました。

  県議会委員会では、安全環境部長は原発敷地内の破砕帯調査について、「幅広い専門家の意見と十分な客観的データ、科学的根拠にもとづき、透明性と公平性を確保した責任ある結論を」と規制委員会に求めました。

 わたしは、「規制委員会の議論もゆりもどしがあり、活断層の年代を12~13万年前以降から、40万年前以降にさかのぼってチェックすればすべての原発での再調査が求められるが、そうならない方向だ。原発再稼動をすすめる規制委員会の姿勢として問題だ」と規制委員会を批判。そのうえで、敦賀2号機については度重なる調査と議論でも、直下に活断層判定であり、日本原電は再度の抗議をしているが、県としては県民の安全第一に考慮していくべきだ。だいたい第一級の浦底断層ですら、活断層でないと主張してきたのが従来の事業者だ」と述べました。

  エネルギー拠点化計画の関係で、「原子力の安全を支える人材育成で、今月26,27日にアジア原子力人材育成会議を原電の研修センターで開き、インドネシア、ベトナムなど5カ国の政府高官やIAEA関係者との交流促進をはかる。原子力の安全について議論する。県単独事業だ」と提案説明されました。

わたしは、原発輸出そのものに反対だ、と述べたうえで、福井県民にたいする福島原発事故対応の説明会も県として開催しない、また、国の新しい基準作りがすすめられているのに県の安全専門委員会も開催せずに、このような外国向けの取り組みをやるのは本末転倒だ、と批判しました。

  原子力防災について、「原子力発電所近接5Km圏の住民避難計画」も提案されました。
わたしは、なぜ10数年つづけられてきた住民参加の原子力防災訓練を今年度はやらないのか、全国で唯一原発再稼動を認めている県としておかしい、と指摘しました。県側は「実効性ある訓練をおこなうため、国の指針を待っていた。原子力災害対策指針が2月27日にだされた」などと答えました。わたしは、「なぜ5キロ圏住民に限るのか。福島原発事故をうけて県民全体が不安に思っている。また、実際に何十キロと避難せざるをえない事態がつくりだされているではないか」と、5キロ圏にこだわり、県民全体の防災計画を提示しない県の対応の改善をもとめました。

 また、自衛隊の住民避難への活用をうたっていることについて、「防衛省の了解を得られた計画なのか」「国民保護の際には自衛隊は住民避難の役割は担えない」などと指摘しました。

 NHKが福島3号機で消防車から注水した水が炉心冷却でなく、別の部分に流れてしまっていた問題を検証した番組を放映しました。
わたしは「福井の原発でもいざという時は外部からの注水が計画されているが大丈夫か」と質問。県側は「その番組をうけて各原発に点検をもとめた。その結果、外部からの注水が確実に炉心に注入されることを確認した」などと答えました。かさねて、「福島と同タイプの敦賀1号機も大丈夫か」と質問。県側は「大丈夫だ」と回答しました。
  しかし、「外づけ」でかろうじて苛酷事故を回避するシステム構成の脆弱さを感じずにはおれません。

  また、原子力機構で、原発の重要情報が入ったパソコンが盗難にあった問題でも管理体制を質問。県は「外部から侵入した形跡はない。どこかに移動したか、持ち出したか。警察が捜査中」などと答えました。

  以下報道。

■産経・・・原発防災訓練見送りに批判 福井県議会原特委 委員から意見相次ぐ


 県議会原発・防災対策特別委員会が12日開かれ、平成24年度の原子力防災訓練が見送られることへの批判や、原子力規制委員会の調査団による原発敷地内の断層(破砕帯)への県の姿勢に意見が相次いだ。

 特別委では、県が原発5キロ圏内の住民避難計画素案を報告。敦賀市選出の石川与三吉委員(自民党県政会)が、防災訓練時に住民らがげたを履いて避難する実態などに触れ「訓練時から意識を高く持たなければ、計画通りには行かない。一時的な水や食料の持ち出しも含め、指導するべきだ」と指摘した。佐藤正雄委員(共産党)も「常日頃の備えが重要といっているのに、今年度は原子力防災訓練はやらない」と批判。「素案は5キロ圏内だけと主張すると、そういう風にとらえられかねない」と広域避難対策が不十分とうつるとの懸念を示した。

 県側は国の防災計画の進捗に応じて範囲を拡大する方針を示した上で、石塚博英安全環境部長が「福島の事故が起きてから、昨年も訓練はしている。その中での5キロ圏内での案を策定したもの。訓練は年度にこだわるわけではない」と説明した。

 また、原子力規制委による破砕帯調査について野田富久委員(民主・みらい)は、県が透明かつ幅広い議論を求める方針を再三示していることについて、「規制委の審議途中に、県が意見するべきではない」と苦言を呈した。一方で、ほかの委員からは「国任せでいいのか」「県もきちんと態勢を整えるべきでは」など、県原子力安全専門委員会での議論を求める声が相次いだが、県側は「専門性が幅広すぎる。国がしっかりと判断した評価を県の専門委員会で確認していく」と述べるにとどめた。