前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県議会、借金拡大・アベノミクスの巨額補正予算案に反対。無実の前川さんを救わない裁判所に怒り

2013年03月07日 | Weblog
  昨日も県議会ではひきつづき一般質問がおこなわれました。最後に、アベノミクスの巨額補正予算にもとづく福井県の補正予算が、委員会審議を省略して、早く発注する、という趣旨から採決がおこなわれました。
   私は、個々の事業は県民要求にこたえた切実なものだが、財政規律を損なう国や県の予算編成を批判し、反対しました。

   以下、反対討論です。

■日本共産党の佐藤正雄です。

 今回の155号議案、156号議案の2本の補正予算議案は、安倍内閣の13兆円という巨額の補正をうけたものです。

 この事業の中には、学校耐震化や信号機の設置・更新、各地の防災事業など切実な県民の願いにこたえたものもふくまれており、そういう事業自体は評価いたします。

 しかし、私がこれまでも指摘してきましたように、今日のデフレ不況の最大の要因は、労働者の賃金が抑えられ、社会保障が削減されてきたため、家計の消費が落ち込んでいることにあります。

 こういう状態のままで、いくら公共事業だけを行って、一部のところが一時的に潤ったとしても、国民県民全体の消費拡大、内需拡大にはつながりません。たとえていえば、病人にいくらステーキだけ食べさせても、病気が良くならないのと同様、安倍内閣の処方箋に問題があります。

このような状態で、消費税増税が、来年4月実施されるようなことになれば、更に、急速に個人消費が落ち込み、深刻な経済不況に陥ることは、過去の自民党政権の下で経験したことではありませんか。

政府は、今回の補正予算13兆円と、来年度予算92兆円を合わせ、15ヶ月予算として100兆円を超える大規模な予算編成をおこないました。
 その財源は、約半分、史上最大の52兆円を超える国債の発行、借金です。県も当初予算で640億円、補正で115億円、合計755億円もの県債を発行するわけです。国と地方の長期債務残高は930兆円、対GDP比で196%です。国の財政破綻はいっそう深刻になり、そのツケは結局、国民、県民にしわ寄せされることになります。 起債にたいする交付税措置にしても、政府の地方交付税削減の動きのなかで、将来にわたって担保される保障もありません。

公共事業拡大による財政を懸念する私の質問にかつての県の理事者が「交付税措置される優良な起債です」という答弁を繰り返したことを思い出します。

 日本国も成長がとまったひどい状況に陥り、国民から身ぐるみはぐような政策をつぎつぎ打ち出しています。県の財政収支見通しも綱渡りです。

 私も、生活密着型の公共事業は必要と考え提案していますが、将来の経済再生への見通しのない、また、財政破綻によるツケを国民県民に押し付ける事になる、今回の予算編成の基本的なあり方に反対であります。
以上、申し上げまして反対討論といたします。



       ★

 こんなことがあっていいのか。えん罪を晴らすためにたたかっている前川さんの再審を名古屋高裁が取り消した。
 事件当時は、家族とともに食事をしており、いっかんして無罪を本人は主張し、家族もたたかってきた。
 無辜の救済をはかるという再審制度の理念に反しており、新証拠の判断もせずに取り消した裁判所は、本来の機能を喪失している、と批判されても仕方がない。ご本人と弁護団、国民救援会などは最高裁への特別抗告で不当決定の取り消しを求める。

 もうひとつ許されないのは、このように無実の前川さんを陥れた警察、検察の態度が、殺人事件の真犯人を逃しているということだ。この福井市のどこかに残虐な真犯人がいるかもしれない、と思うと市民は不安でたまらないのではないか。

 以下、報道。

■毎日・・・福井・中3殺害:前川さん「本当に無関係」…最高裁に望み

  福井女子中学生殺害事件の再審開始決定異議審で6日、名古屋高裁(志田洋裁判長)に再審開始決定を取り消された前川彰司さん(47)=福井市、殺人罪が確定=は、高裁近くで記者会見を開き「私は本当に無関係です。やっていません」と険しい表情で訴えた。弁護団は11日に最高裁へ特別抗告する方針で、前川さんは「最後には勝つでしょう。正義は我々にある」と最高裁に望みを託した。

 ◇弁護団、特別抗告へ

 86年3月に福井市の自宅で中学3年の高橋智子さん(当時15歳)が殺されて約1年後に逮捕された前川さんは、一貫して無罪を主張し、高橋さんとは面識がなかったと訴え続けている。だがこの日の高裁決定は、前川さんを有罪とした高裁金沢支部判決(95年)と同様、「事件当時、血がついた前川さんを見た」などとする知人らの供述の信用性を認め、再審開始決定を取り消した。無罪から有罪、そして再審開始決定から決定取り消し−−。裁判所の判断は目まぐるしく変わった。

 決定直後、高裁前にある「裁判所」と書かれた石盤を蹴って怒りを表した前川さんは、会見で「無念ですね」とぽつり。「冤罪(えんざい)はどこにでもあるということに気付いてほしい」と訴えた。茨城県で起きた強盗殺人「布川事件」で再審無罪となった桜井昌司さん(66)も会見で「決定は常識からかけ離れている。裁判官に激しい怒りを感じる」と語気を荒らげた。

 弁護団の小島峰雄団長は「検察側の十分な反論はなく、検察側が請求した証人尋問も採用されていない。再審開始決定を覆す根拠が全くない」との批判声明を発表した・・・・・