芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』(津村記久子著)を読む。
主人公は工場のラインで契約社員として働くナガセ29歳。母子家庭で未だ母親と実家住まいで恋人はいない。腕に「今がいちばんの働き盛り」という刺青を彫ってみたいと思いながら働いている。そして世界一周クルーズのために毎日節約生活をしながらお金を貯める。
その他ナガセの学生時代からの友人として、個人でカフェを経営している独身のヨシカ、結婚生活の愚痴ばかり話すそよ乃、夫との離婚に悩み最後は一人娘を連れてナガセの実家に転がり込んできたりつ子。
それぞれ“十分でない日々”を送る4人の女性が登場する。物語には特段大きなオチやどんでん返しのような展開はない。等身大のアラサー女性の(多少の波風はあるものの)ノーマルな日常生活が緻密かつ淡々と綴られている。
芥川賞選考委員の石原慎太郎は本作を「無劇性の劇」と評していたが、この言葉に一番シンパシィを感じた。
主人公は工場のラインで契約社員として働くナガセ29歳。母子家庭で未だ母親と実家住まいで恋人はいない。腕に「今がいちばんの働き盛り」という刺青を彫ってみたいと思いながら働いている。そして世界一周クルーズのために毎日節約生活をしながらお金を貯める。
その他ナガセの学生時代からの友人として、個人でカフェを経営している独身のヨシカ、結婚生活の愚痴ばかり話すそよ乃、夫との離婚に悩み最後は一人娘を連れてナガセの実家に転がり込んできたりつ子。
それぞれ“十分でない日々”を送る4人の女性が登場する。物語には特段大きなオチやどんでん返しのような展開はない。等身大のアラサー女性の(多少の波風はあるものの)ノーマルな日常生活が緻密かつ淡々と綴られている。
芥川賞選考委員の石原慎太郎は本作を「無劇性の劇」と評していたが、この言葉に一番シンパシィを感じた。