物部の森

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日記風に書いてます。

村上春樹のエルサレム賞でのスピーチについての一考察

2009年02月19日 | Weblog
Between a high solid wall and a small egg that breaks against it, I will always stand on the side of the egg. Yes, no matter how right the wall may be, how wrong the egg, I will be standing with that egg.
「高く堅牢な壁とそれにぶつかって砕ける卵の間で、私はどんな場合でも卵の側につきます。そうです。壁がどれほど正しくても、卵がどれほど間違っていても、私は卵の味方です。」

 ウチダ先生も言っておられたが、このスピーチが真理なのは、
「私は弱いものの味方である。なぜなら弱いものは正しいからだ」
というロジックではないからだ。
「たとえ“間違っていても”私は弱いものの側につく」
と村上春樹は述べている。

 彼の地の複雑怪奇な国際情勢をジャッジするための判断軸は「正しいか、正しくないか」ではなく「強いか、弱いか」なのである。

 そしてもう一つ付け加えるならば、「壁」と「卵」はしばしばその立場が入れ替わってしまうのだ。
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