物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

【書籍】孫子

2011年06月23日 | Weblog
 『孫子』(金谷治訳注、岩波文庫)を読む。

 『孫子』は中国の最も古い兵書である。内容は「計篇」から「用間篇」まで全部で13篇に分かれている。本書は、原文である漢文と、その読み下し文、口語訳、注釈が付いている。それらが、格段ごとに記してあるので、少しずつ読み進めていきやすい。
 兵書と言いながら、中身は決して好戦的なものではない。基本的な考え方は「戦わずして勝つ」ということ。「兵とは国の大事なり」として軽々しく事を起こすことを戒めたり、「兵は拙速なるを聞くも、未だ巧久なるを賭ず」として長期戦を否定する。どこかの国の大統領に聞かせてあげたい。
 そうした中身が、戦争や戦術に留まらず、人生の問題や日常処世へのあり方などにも深い示唆を与える(というか単なる戦術論なら読まない)。
 文章の構成が非常に分かりやすい。結論を先に、次に内容へ展開。あるいは、いわゆる「言いたいことは3つある。1つは・・・」のような、箇条的に説明していくような組み立て方。ロジカル・ライティングの見本のような書物である。
コメント
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