藤原ののちかけか、からものゝつかひになか月のつこもりかたにまかりけるに、うへのをのこともさけたうひけるついてによめる ふちはらのかねもち
もろともになきてとゝめよ蛬秋の別はおしくやはあらぬ
平もとのり
秋霧のともに立いてゝわかれなは晴ぬ思ひにこひやわたらむ
(古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
朱雀院の御時、藤原親盛かから物の使にまかりけるに、金の火うちに沈のほくそをしのふすりの袋に入てつかはすとて読侍ける 権中納言敦忠
うちつけに思ひやいつと故郷のしのふ草してすれるなりけり
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
承平五年十二月、から物の使に蔵人藤原親衡かまかり侍けるに、餞し侍とて 源公忠朝臣
わかるゝかわひしき物はいつしかとあひみんことを思ふなりけり
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
冬つ方(かた)、麗景殿の細殿にものなどいひけるほどに、蔵人伊祐(これすけ)唐物(からもの)の使にて下る、まかり申しせむとて、御物忌みにこもる日、あけの年かうぶり給はるべければ、やかて上にもさぶらふまじきよしいひければ
西へ行く月の常(つね)よりをしき哉雲の上をし別ると思へば
伊祐(これすけ)
別れ路(ぢ)は世の常(つね)なれや中々に年のかへらん事をこそ思へ
(大納言公任集~「和歌文学大系54 中古歌仙集一」明治書院)
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