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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「しで打つ」用例

2023年10月28日 | 日本国語大辞典-さ行

「しで打つ」の日本国語大辞典での用例は謡曲・山姥(1430年頃)ですが、さかのぼる用例が複数あります。

 (擣衣を) 勝命法師
から衣してうつゝちのとくとくと山ひとさへもいそくなる哉
(月詣和歌集、九月)
『続群書類従 14上』130ページ

よもすから-つきにしてうつ-からころも-そらまてすめる-つちのおとかな
(秋篠月清集~日文研HPより)

 暁聞擣衣  橘為仲朝臣
明くるまでしでうつ声の絶えせぬは誰がためいそぐ衣なるらん
(和歌一字抄・下・728)


「小夜時雨」用例

2020年11月14日 | 日本国語大辞典-さ行

 冬の季語でもある「小夜時雨(さよしぐれ)」という単語は、日本国語大辞典では新続古今和歌集(1439年)の用例を早い例として挙げてありますが、100年以上さかのぼる用例があります。

月の跡の山の端くもるさよ時雨染めぬ葛もてりまさり行く
(夫木和歌抄~「校註国歌大系21」462ページ)


「末葉②」用例

2020年10月11日 | 日本国語大辞典-さ行
 「末葉(すえば)」という単語には、「子孫。末裔。」という語釈があり、日本国語大辞典では、「徒然草」(1331年頃)の用例を早い例として載せていますが、もっとさかのぼる用例があります。
 
よにしつみて侍けるころ、かすかの冬のまつりにへいたて侍けるに、*おもひける事を(*おほへけるイ)、みてくらにかきつけ侍ける 左京大夫顕輔 
かれはつる藤の末はのかなしきはたゝ春の日をたのむはかりそ 
(詞花和歌集~国文学研究資料館HPのデータベース)

「杉葺き」という語

2019年11月15日 | 日本国語大辞典-さ行

 「杉葺き」という語は日本国語大辞典には立項していませんが、以下のような和歌用例があります。

さもこそは真屋(まや)の杉葺き(すぎぶ)き薄(うす)からめ洩(も)るばかりにも打(う)つ時雨(しぐれ)かな
(巻第六・冬、1282)
『万代和歌集・上(和歌文学大系13)』 安田徳子、明治書院、1998年、211ページ

我庵の軒の杉葺末くちて伝ふあられのこゑそ短き
(巻第四百三・心敬僧都十躰和歌、長高体)
『続群書類従 15上』続群書類従完成会、1979年、45ページ