「しで打つ」の日本国語大辞典での用例は謡曲・山姥(1430年頃)ですが、さかのぼる用例が複数あります。
(擣衣を) 勝命法師
から衣してうつゝちのとくとくと山ひとさへもいそくなる哉
(月詣和歌集、九月)
『続群書類従 14上』130ページ
よもすから-つきにしてうつ-からころも-そらまてすめる-つちのおとかな
(秋篠月清集~日文研HPより)
暁聞擣衣 橘為仲朝臣
明くるまでしでうつ声の絶えせぬは誰がためいそぐ衣なるらん
(和歌一字抄・下・728)
「しで打つ」の日本国語大辞典での用例は謡曲・山姥(1430年頃)ですが、さかのぼる用例が複数あります。
(擣衣を) 勝命法師
から衣してうつゝちのとくとくと山ひとさへもいそくなる哉
(月詣和歌集、九月)
『続群書類従 14上』130ページ
よもすから-つきにしてうつ-からころも-そらまてすめる-つちのおとかな
(秋篠月清集~日文研HPより)
暁聞擣衣 橘為仲朝臣
明くるまでしでうつ声の絶えせぬは誰がためいそぐ衣なるらん
(和歌一字抄・下・728)
「霜の声」という用語は、日本国語大辞典・第2版では、『匠材集』(1597年)の例が早いのですが、100年以上さかのぼる用例があります。
(寒樹交松)
枝ごとに一葉のこさぬ霜のこゑ松よりさむし杜の木枯
(草根集・5685~『新編国歌大観8』177ページ)
冬の季語でもある「小夜時雨(さよしぐれ)」という単語は、日本国語大辞典では新続古今和歌集(1439年)の用例を早い例として挙げてありますが、100年以上さかのぼる用例があります。
月の跡の山の端くもるさよ時雨染めぬ葛もてりまさり行く
(夫木和歌抄~「校註国歌大系21」462ページ)
「杉葺き」という語は日本国語大辞典には立項していませんが、以下のような和歌用例があります。
さもこそは真屋(まや)の杉葺き(すぎぶ)き薄(うす)からめ洩(も)るばかりにも打(う)つ時雨(しぐれ)かな
(巻第六・冬、1282)
『万代和歌集・上(和歌文学大系13)』 安田徳子、明治書院、1998年、211ページ
我庵の軒の杉葺末くちて伝ふあられのこゑそ短き
(巻第四百三・心敬僧都十躰和歌、長高体)
『続群書類従 15上』続群書類従完成会、1979年、45ページ