ひかげ草くもりなき世のためしとや豊(とよ)のあかりにかざしそめけむ(拾遺愚草)
くもりなき玉田の野べのたまひかげかざすや豊のあかりなるらむ(新拾遺和歌集)
すべらぎの位の山のたまひかげ雲ゐにかくるけふのみやびと(夫木抄)
ひかげさすとよのあかりに見つるかな我がすめらぎの千代のかざしを(永久百首)
雲のうへの豊のあかりに月さえて霜をかさぬる山藍のそで(続古今和歌集)
山あゐの色やこほりにみだるらむ日かげうつろふ小忌(をみ)のころもで(中務内侍日記)
ひかげ草くもりなき世のためしとや豊(とよ)のあかりにかざしそめけむ(拾遺愚草)
くもりなき玉田の野べのたまひかげかざすや豊のあかりなるらむ(新拾遺和歌集)
すべらぎの位の山のたまひかげ雲ゐにかくるけふのみやびと(夫木抄)
ひかげさすとよのあかりに見つるかな我がすめらぎの千代のかざしを(永久百首)
雲のうへの豊のあかりに月さえて霜をかさぬる山藍のそで(続古今和歌集)
山あゐの色やこほりにみだるらむ日かげうつろふ小忌(をみ)のころもで(中務内侍日記)
あふみのや坂田の稲を刈りつみて道ある御代(みよ)のはじめにぞつく(新古今和歌集)
名にたてる吉田の里の稲なればつくともつきじ千代の秋まで(能宣集)
むかしきく神の前田のたねなれば二万(にま)のみしねは八十(やそ)くらぞつむ(夫木抄)
君が代のたのもしき年(とし)の稲なれば稲村岡(いなむらをか)にみちてこそつめ(夫木抄)
色かへぬときはの山のさかき葉をいはひかざしつ万代(よろづよ)のため(万代集)
ふけぬるか真弓つきゆみおしかへしうたふかぐらの本末(もとすゑ)のこゑ(続千載和歌集)
たきすさぶ霜夜の庭火かげふけて雲ゐにすめる朝倉の声(玉葉和歌集)
あまの戸のあくるまでとやうたふらむ霜ふかき夜の朝倉のこゑ(新千載和歌集)
ゆたかなる七つの路(みち)のみつぎ物うみやまかけてさだめおきてき(夫木抄)
みつぎものはこびもあへず川舟ののぼればくだる淀の小(を)ぐるま(崇光院仙洞歌合)
みつぎものはこぶ船瀬のかけ橋に駒のひづめのおとぞ絶えせぬ(夫木抄)
ひまもなく国のみつぎののぼりぶね千々の川浪かずもしられず(元暦元年大嘗会和歌)
底きよき五百位(いほゐ)の河のささら波まなくもはこぶ御調物(みつぎもの)かな(寿永元年大嘗会和歌)
長尾山めぐる時雨にぬれつつも御調(みつぎ)をはこぶ人は絶えせず(平治元年大嘗会和歌)
くもりなき豊(とよ)のあかりに見つるかなあまつ乙女がまひのすがたを(夫木抄)
をとめ子が雲のうへまで袖ふればひかげにまがふあまの羽衣(明題和歌集)
あまつかぜ氷をわたる冬の夜の乙女のそでをみがく月かげ(新勅撰和歌集)
唐たまのかざしと見えてをとめごが立ち舞ふ袖にふるあられかな(竹むきが記)