monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「烏羽の色にぞ」

2014年11月18日 | 日本古典文学-和歌

 いろいろな所で和歌などを収集しているのですが、たまたま見た「古筆手鑑大成③文彩帖」(角川書店、昭和59年)の70ページの翻刻和歌に、文字の誤りがあるのではないかと思う部分を発見しました。
 「立さはきとまりあらそふ鳥羽の色にそ杜もやかてくれ行」と翻刻されていますが、「鳥羽の」ではなく「烏羽(からすば)の」だと思います。「鳥」と「烏」の字形の違いをまだ、くずし字辞典等にあたっていないのですが、「からすばの」と読まなくては、字数も合わないし、歌意がとおらない。
 カラスの羽の色で夜の闇の色を表現するのは、和歌としては珍しい歌材。