着物を着て出かけたい場所としては、能楽堂でのお能の観賞、着物で京都旅行。町へ出てちょっとお買い物、とか友達とお食事とかでも、着物で出かけたいものです。洋服を着ている時とは違い、店員さんからすごく丁寧に応対されたりします。
以前、着物で出かけて失敗した、と思ったのは、お墓参りです。山の斜面に墓地があるので、急な坂道は大変だと実感しました。うっかりすると、鼻緒から足がすっぽ抜けそうでした。
初詣を着物で、というのも良いです。あと、結婚式などの慶事は、断然、着物がよろしい。以前は「法事も着物で!」とか思っていて、色喪帯を作ったりもしましたが、独りだけ和服という状態になるので、悪目立ちしないよう、洋服の方がよさそうです。
書道を習いたいと思っているので、その時は是非着物で出かけたいです。
「田植え前の田の代掻きをする」という意味の「代(しろ)掻く」という単語の用例は日本国語大辞典・第二版では、『杉風宛芭蕉書簡』元祿七年〔1694年〕閏五月二一日からの例が早いのですが、600年近くさかのぼる用例があります。
こなぎ摘(つむ)沢田の代(しろ)はかきてけりいそぎて植ゑよ室(むろ)のはやわせ
(夏十五首、早苗、407)
『和歌文学大系15 堀河院百首和歌』明治書院、平成14年、79ページ
「名残(なごり)の月」という用語の「①夜明けの空に残っている月。有明けの月。」という語釈は、日本国語大辞典・第二版では、謡曲『雲林院』〔1426年頃〕からの例が添えられていますが、200年近くさかのぼる用例があります。
さみだれのなごりの月もほのぼのと里なれやらぬ郭公かな
(拾遺愚草、下、2209)
『新編国歌大観3 私家集編1 歌集』1985年、角川書店、817ページ
「痩せ痩せ」という副詞の用例は、日本国語大辞典・第二版では、『寛永刊本蒙求抄』(1529年頃)からの例が早いのですが、200年以上さかのぼる用例があります。
ありしにもあらずやせやせとして
(「しのびね」~『中世王朝物語全集10』笠間書院、1999年、66ページ)
「ふるさる(旧・古)」という語は日本国語大辞典では、動詞「ふるす」+助動詞「る」とに分かれると判断して、一語とは認定していないようですが、私見最古例・後撰集の片桐洋一の脚注では、一単語として扱っているようなので、別項を立ててもよいのではないでしょうか。
ひたぶるに思なびそ古(ふる)さるゝ人の心はそれぞ世の常(つね)
(巻第十二・恋四、830、藤原時平)
『後撰和歌集(新日本古典文学大系6)』片桐洋一校注、岩波書店、1990年、243ページ
宮をこにとりなして
ふるさるる時にもあらずあふひをばまつりならずと人やとがめむ
かへし
はるなればかへしのみきるからころもかけてもさににたたたぬこひかな
(18・敦忠集、90)
『新編国歌大観 3 私家集編1 歌集』角川書店、1985年、57ページ
みかのはら-くにのみやこは-やまたかみ-かはのせきよし-ありよしと-ひとはいへとも-ありよしと-われはおもへと-ふるされし-さとにしあれは…(略)
(歌枕名寄)~日文研の和歌データベースより
ふるされん後をばしらず言のははしのぶにぞまつおき所なき
(37・嘉元百首、津守国冬、恋二十首、忍恋、2162)
『新編国歌大観 4 私家集編2、定数歌編 歌集』角川書店、1986年、497ページ
すぢごとにまだくろかみを宿ながら身ぞふるさるる霜の通ち(草根集、7385)203ページ
うらみずや里さへ世世にふるされて山の嵐のとへるばかりは(草根集、8696)224ページ
『新編国歌大観 8』1990年、角川書店
いかにせむ-なみたのあめの-ふるさるる-みにはおもひの-はれぬならひを
(永享百首)~日文研の和歌データベースより
つゆなみた-かかるうきみに-こひをして
ふるさるるにも-かはるとそしる
(長禄三年千句 11巻)~日文研の連歌データベースより
かせのおと-むしのこゑにも-いとひわひ
たへかたきまて-ふるさるるさと
(永禄年間百韻 何路)~日文研の連歌データベースより
ふるされし-なかはなけくも-いやはかな
あやしちきりの-たのみくやしき
(慶長年間百韻 [けふことに]/裏白)~日文研の連歌データベースより
ふるされし-はんちよかこころ-あはれなり
(紅梅千句 11巻)~日文研の俳諧データベースより
御影堂も物さび、友禅絵もふるされ、
(好色一代女、巻五、美扇恋風)
『新編日本古典文学全集66 井原西鶴集1』小学館、1996年、531ページ
一 旧恋 ふるき恋にて久恋のたくひや。又ふるす恋にてふるさるゝ心や。
(烏丸光栄卿口授、130)
『近世歌学集成 中』近世和歌研究会編、明治書院、 1997年、510 ページ
浮草の根もたえはてたすたり者。ながめせしまにふるされて。賣(うり)ぐひなれば肌さむし。
(世間妾形気、巻之四)
『気質全集』大橋新太郎編、博文館、1908年、253ページ
めぐりあふ今宵(こよひ)一夜をかぎりにて明日(あす)やわが身もふるされぬべき(うけらが花、巻四・冬歌)139ページ
水草(みくさ)ゐる板井の清水ふるされて涙のみこそさしぐまれけれ(うけらが花、巻五・恋歌)165ページ
後夜(ごや)の鐘のひびきを、物の底に聞くらむやうに、おもはれし夜もありつるを、かくふるされし身は、跡つけむ人もなきや、(うけらが花、巻七・文詞)276ページ
いたづらに拾ふ人なきやれ貝をふるされし身のたぐひとぞ見る(琴後集)446ページ
ふるされしうき身のともと見る月はよもぎがもとの心しりきや(琴後集)498ページ
『うけらが花、琴後集(有朋堂文庫)』橘千蔭、村田春海(塚本哲三)、有朋堂書店、1914年
あふぎによす
手になれし扇の風もつたへてよふるさるゝ身の秋のこころを
(六帖詠草、恋歌)
『校註国歌大系 第17巻』国民図書、1929年、188ページ
鶯声老
ふるされし宮のうぐひす春くれて人もすさめぬねをも鳴くかな
(泊洦舎集、巻一・春歌)
『校註国歌大系 第18巻』国民図書、1929年、582ページ