もらさはやほそたにかはのわすれみつかけたにみえぬこひにしつむと
(金葉集・三奏本-待賢門院堀河~日文研HPより)
左衛門督家成歌合し侍けるによめる
和歌作者原表記 藤原範綱
住吉のあさゝはをのゝ忘水たえたえならて逢よしもかな
(詞花和歌集~国文学研究資料館HPより)
中納言定頼か許につかはしける 大和宣旨
はるはると野中に見ゆる忘れ水絶ま絶まをなけくころかな
(後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
百首御歌の中に 順徳院御歌
おもひ出よ木のはのしたの忘水うつりし色にたえははつとも
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
わすれたる人のおもひ出てをとつれたるによめる 橘俊宗女
めつらしや岩まによとむ忘水いくせをすきておもひいつらん
(金葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
従三位頼政絶て久しくなりにける女、またかたらひける人に忘られて後、*あひ侍て申つかはしける(*あひ侍にイ) 読人しらす
すむとしもなくてたえにし忘水何ゆへさてもおもひ出けん
返し 従三位頼政
人もみなむすふなれともわすれ水我のみあかぬ心ちこそすれ
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)
恋歌の中に 寂超法師
むかし見しふる野の沢の忘水なに今更に思ひいつらん
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
山階入道左大臣家十首歌に、同心(絶恋)を 権中納言公守
しられしな絶にし中のわすれ水我のみ人をおもひ出とも
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
はるさめのふるののさはのわすれみつありしむかしやおもひいつらむ
(夫木和歌抄-為家~日文研HPより)
文保三年百首歌たてまつりけるとき 後西園寺入道前太政大臣
日をふれはもとの道さへ忘れ水野沢となれる五月雨の比
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
夏歌の中に 前大納言隆房
五月雨はあさ沢をのゝ名のみしてふかくなり行忘れ水哉
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
くさかけのなつのにふかきわすれみつたえまあれはやおもひいつらむ
(新撰和歌六帖-為家~日文研HPより)
忘水むすひし夢もうたかたにきゆるあさちか野への秋風
(草根集~日文研HPより)
ゆきなやみたえたえこほるわすれみつこのはのしたにふゆやきぬらむ
(洞院摂政家百首-範宗~日文研HPより)
あつまに侍ける時、都の人につかはしける康資王母
あつまちの道の冬草しけりあひて跡たにみえぬ忘水哉
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
大炊御門右大臣、久しうをとつれすと恨侍ける返事に 大納言実国
今はさは思ひしりぬやわすれ水たゆはたれもおなしつらさを
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
(たいしらす) 橘義貞
数ならぬ水草かくれの忘水ひとりすめともしる人もなし
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)