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古典の季節表現 二月又は八月 季の御読経

2018年02月23日 | 日本古典文学

廿三日は季の御讀經也。大宮大納言・萬里小路大納言・左衞門督まゐりて、皆御所へ御まゐり有り。殿より、かへでのえだに手まりを付けてまゐらせさせ給ひたるを、中納言のすけどの見たまひて、こぞさきのとのより、ふねにまりを十つけられて、まゐりたりしこそ、おもひ出でらるれとて、なにとなく、「ふねのとまりは猶ぞ戀しき」と、くちずさみ給へば、辨内侍、「みなと川なみのかゝりのせとあれて」とつけたりしを、「是を一首になして、返す人のあれかし。」ときこゆれば、辨内侍、
いかにしてかけたる波の跡やそのうきたる舟のとまり成る覽
(弁内侍日記~群書類從18)

故中務宮よしあきらのみこの御むすめのはらに。御むすめ二人男一人おはしましておほひめ君は。圓融院の御時女御にて中宮と申き。(略)いみじき有心者有職にぞいはれ給ひし。功徳も御いのりも如法にをこなはせ給ひし。としことの季御讀經なども。つねの事ともおほしめしたらす。四日がほど廿人そうを坊のかざりめでたうてかしづきすへさせ給ひ。ゆあむし時などかぎりなく如法に供養せさせたまひ。御前よりも又とりわきさるべきものどもいたさせ給ふ。御みづからもきよき御ぞたてまつり。かぎりなくきよまいらせ給ひて。そこに給はらするものどもはまづ御前にとりすゑさせて。おがませ給ひてぞ後につかはしける。
(大鏡~国文学研究資料館HPより)

えせ者のところ得るをり。(略)季の御読経の威儀師。赤袈裟着て、僧の名どもを読み上げたる、いときらきらし。
(枕草子~新潮日本古典集成)


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