monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

夏草

2010年05月28日 | 日本古典文学-和歌-夏

露はらひ分けゆく人もまよふらむ夏野の原のくさの中みち(草庵集百首和歌)

あとたえて人も分けこぬ夏草のしげくもものをおもふころかな(新勅撰和歌集)

あしひきの山下しげき夏草のふかくもものを思ふころかな(古今和歌六帖)

かれはてむのちをば知らで夏草のふかくも人のおもほゆるかな(古今和歌集)

を じかふす夏野の草の道をなみしげき恋路にまどふころかな(新古今和歌集)

しげさのみ日ごとにまさる夏草のかりそめにだにとふ人のなき(古今和歌六帖)

かよひこし跡やはいづ く夏草のしげみがしたの野べの古(ふる)みち(現存和歌六帖)

(2009年7月30日に掲載した「夏草」の記事は削除しました。)

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花橘(はなたちばな)

2010年05月27日 | 日本古典文学-和歌-夏

五月雨のそらなつかしくにほふかな花橘に風や吹くらむ(後拾遺和歌集)

たちばなのかをり涼しく風たちて軒ばに晴るる夕ぐれの雨(風雅和歌集)

わがやどの花たちばなや匂ふらむ山ほととぎす過ぎがてに鳴く(風雅和歌集)

風かをる花たちばなに時鳥こゑなつかしき夕まぐれかな(正治二年初度百首)

五月闇はなたちばなのありかをば風のつてにぞ空に知りける(金葉和歌集)

さつき待つ花たちばなの香をかげばむかしの人の袖の香ぞする(古今和歌集)

ももしきの庭のたちばな思ひいでてさらに昔をしのぶ袖かな(土御門院御集)

折(をり)しもあれ花たちばなのかをるかな昔を見つる夢の枕に(千載和歌集)

たちばなのにほふあたりのうたた寝に夢もむかしの袖の香ぞする(新古今和歌集)

かへりこぬむかしを今と思ひ寝の夢の枕ににほふたちばな(新古今和歌集)

たちばなの花散る里のほととぎす片恋(かたこひ)しつつ鳴く日しぞ多き(万葉集)

風に散る花たちばなを袖に受けて君が御跡(みあと)と偲びつるかも(万葉集)

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手引きの糸・夏麻(なつそ/なつあさ)

2010年05月19日 | 日本古典文学-和歌-夏

夏あさのした葉の草のしげさのみ日ごとにまさるころにもあるかな(好忠集)

わが蒔きし麻をのたねをけふ見れば千枝(ちえ)にわかれて風ぞすずしき(夫木抄)

刈りはやす麻の立ち枝(え)にしるきかな夏のすゑ葉になれるけしきは(夫木抄)

白たへの雲の糸すぢ乱るなり天つ乙女や夏そ引くらし(草根集)

五月雨のひましなければ夏引きの手ぐりの糸も干しぞわづ らふ(正治二年初度百首)

わぎも子がこやの篠屋(しのや)のさみだれにいかで干すらむ夏引きの糸(詞花和歌集)

知るらめや手引きの糸の一(ひと)すぢにわくかたもなく思ふこころを(正治二年初度百首)

わぎもこが手たゆきまでに夏引きのいとうちたえぬ恋もするかな(因幡権守重隆歌合)

夏引きの手引きの糸のうちはへてくるしき恋はよるぞまされる(続千載和歌集)

忘られて思ふばかりのあらばこそかけても知らめ夏引の糸(今物語)

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寄雨恋

2010年05月14日 | 日本古典文学-和歌-夏

あはれ我なにごこちせむわが背子が降るとも雨にぬれて来たらば(宝治百首)

かきくらし降りくる雨も君ならば濡るとてさらにいとはざらまし(六百番歌合)

ぬばたまの黒髪山の山菅に小雨降りしきしくしく思ほゆ(万葉集)

いとどなほ晴れぬ思ひぞまさりけるひと待つ宵の雨のけしきを(宝治百首)

雨やまぬ軒の玉みづかずしらず恋しきことのまさるころかな(後撰和歌集)

雨ふれば軒のしづくのかずかずに思いひみだれて晴るるまぞなき(水無瀬恋十五首歌合)

かきくもり雨ふる川のさざら波まなくも人の恋ひらるるかな(拾遺和歌集)

よるの雨の音にたぐへる君なれや降りしまされば我恋ひまさる(玉葉和歌集)

つれづれのながめにまさる涙河そでのみひちて逢ふよしもなみ(古今和歌集)

雨なみだ身を知り顔にふりそへて恋のま袖は干すかたもなし(宝治百首)

雨も知れ軒に音するたまみづのあはとなりても消えぬおもひを(草根集)

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五月雨(さみだれ)

2010年05月12日 | 日本古典文学-和歌-夏

いとどしくしづ の庵(いほり)のいぶせきに卯の花くたし五月雨ぞ降る(千載和歌集)

つれづ れと音(おと)たえせぬは五月雨の軒のあやめのしづ くなりけり(後拾遺和歌集)

つれづ れと降るさみだれに日は暮れぬ軒のしづ くのおとばかりして(続後拾遺和歌集)

いとどまた誰れかはとはむ五月雨に軒の玉みづ 音(おと)ばかりして(文保百首)

五月雨にとふ人もなき山里は軒のしづ くの音のみぞする(六条宰相家歌合)

つくづ くと軒のしづ くをながめつつ日をのみ暮らす五月雨のころ(山家集)

苔ふかき軒のしづ くはさみだれて雲まの風になほこぼれつつ(洞院摂政家百首)

水こゆる池の浮きくさ根をたえてさそはれいづ る五月雨のころ(文保百首)

けふ見れば川波たかしみ吉野の六田(むつだ)の淀の五月雨のころ(新拾遺和歌集)

五月雨に難波いり江のみをつくし見えぬや水のまさるなるらむ(詞花和歌集)

五月雨によどの水かさまさるらし水脈(みを)のしるしも見えずなりゆく(久安百首)

いとどまた雪げの水やまさるらむ富士の高ねの五月雨のころ(洞院摂政家百首)

ぬれて干す日かげも見えぬ五月雨に雲のころもを着ぬ山ぞなき(洞院摂政家百首)
.

わが思ふ人に見せばや五月雨の空にもまさる袖のしづ くを(風葉和歌集)

かきくらしふれば涙のそふものをただ五月雨と人や見るらむ(風葉和歌集)

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