monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

追儺(ついな)/鬼やらひ

2011年12月31日 | 日本古典文学-和歌-冬

とにかくに身にもおぼえぬ年暮れて儺(な)やらふ夜にもなりにけるかな(後小松院御百首)

あらたまの春をむかふる年のうちに鬼こもれりとやらふ声かな(夫木抄)

九重の雲のうへよりやらふ儺(な)のほどにともなふふりつづみかな(久安百首)


冬景色

2011年12月29日 | 音楽

冬景色

さ霧消ゆる湊江(みなとえ)の
舟に白し朝の霜
ただ水鳥の声はして
いまだ覚めず岸の家

烏(からす)啼きて木に高く
人は畑(はた)に麦を踏む
げに小春日(こはるび)ののどけしや
かえり咲(ざき)の花も見ゆ

嵐吹きて雲は落ち
時雨降りて日は暮れぬ
若(も)し燈火(ともしび)の漏れ来ずば
それと分かじ野辺の里


かあさんの歌

2011年12月28日 | 音楽

かあさんの歌(作詞・作曲:窪田聡)

母さんが夜なべをして 手袋編んでくれた
こがらし吹いちゃ冷たかろうて せっせと編んだだよ
故郷(ふるさと)の便りは届く 囲炉裏の匂いがした

母さんは麻糸紡ぐ 一日紡ぐ
おとうは土間で藁打ち仕事 おまえも頑張れよ
故郷の冬は寂しい せめてラジオ聴かせたい

母さんのあかぎれ痛い なま味噌を擦り込む
根雪も融けりゃ もすぐ春だで 畑が待ってるよ
小川のせせらぎが聞こえる 懐かしさがしみとおる


冬の夜(文部省唱歌)

2011年12月27日 | 音楽

冬の夜

燈火(ともしび)近く 衣(きぬ)縫う母は
春の遊びの楽しさ語る
居並ぶ子どもは指を折りつつ
日数(ひかず)かぞえて喜び勇む
囲炉裏火(いろりび)はとろとろ 外は吹雪

囲炉裏のはたで縄なう父は
過ぎしいくさの手柄を語る
居並ぶ子どもはねむさ忘れて
耳を傾けこぶしを握る
囲炉裏火はとろとろ 外は吹雪


炉火(ろくゎ)・埋火(うづみび)

2011年12月26日 | 日本古典文学-和歌-冬

うづみ火にすこし春あるここちして夜ふかき冬をなぐさむるかな(風雅和歌集)

消えのこる火桶の灰にかく文字の手すさびうすき夜半のともしび(草根集)

風さむみ暁ふかく寝覚めしてまたおきむかふ閨のうづみ火(新後拾遺和歌集)

いふこともなきうづみ火をおこすかな冬の寝覚めの友しなければ(堀河百首)

埋み火に炭さしそへてしづかなる寝屋のひかりに明くるをぞ待つ(草根集)

いかにせむ下にかくるる埋み火のおもひしらさむけぶりだになし(夫木抄)

うづみ火の下にこがるるかひなしや消ゆも消えずも人し知らねば(堀河百首)

いかにせむ灰のしたなる埋み火のうづもれてのみ消えぬべき身を(風雅和歌集)

埋み火をよそにみるこそあはれなれ消ゆればおなじ灰となる身を(玉葉和歌集)

(2009年12月30日の「炉火/埋火」の記事は削除しました。)