「みぎり(砌)」という単語には「庭。また、境界。」という語釈がありますが、日本国語大辞典第二版よりもさかのぼる用例が複数あります。
(長徳四年十一月)四日、己未、(略)舞人・陪従立仁寿殿砌内、(略)
(権記~「(史料纂集)権記 第一」渡辺直彦校訂、1978年、続群書類従完成会、103ページ)
左京大夫経忠の許にて寺の桜といへる事をよめる
風ふけはみたのみきりに散花を法のむしろとしき忍ふかな
(散木奇歌集~「群書類従15」)
窓前梅
匂ひくる砌の梅のひらくれは窓をもとちすはるのよなよな
古砌菫菜
むかしへのみほのいはやをきてみれはこけの砌に菫さきけり
(丹後守為忠朝臣家百首~「群書類従11」)