monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「砌」用例

2022年02月23日 | 日本国語大辞典-ま行

 「みぎり(砌)」という単語には「庭。また、境界。」という語釈がありますが、日本国語大辞典第二版よりもさかのぼる用例が複数あります。

(長徳四年十一月)四日、己未、(略)舞人・陪従立仁寿殿砌内、(略)
(権記~「(史料纂集)権記 第一」渡辺直彦校訂、1978年、続群書類従完成会、103ページ)

 左京大夫経忠の許にて寺の桜といへる事をよめる
風ふけはみたのみきりに散花を法のむしろとしき忍ふかな
(散木奇歌集~「群書類従15」)

 窓前梅
匂ひくる砌の梅のひらくれは窓をもとちすはるのよなよな
 古砌菫菜
むかしへのみほのいはやをきてみれはこけの砌に菫さきけり
(丹後守為忠朝臣家百首~「群書類従11」)


「むすぼる①」用例

2021年12月15日 | 日本国語大辞典-ま行

「むすぼれる(古語:むすぼる)」という語の「①結ばれて解けにくくなる。もつれる。また、物事がそのような状態になる。」という語釈の日本国語大辞典よりもさかのぼる用例が複数あります。

雪ふかきまのゝかや原むすほれて吹とも風になひかさりけり
(巻第百六十九・久安六年御百首、参議左中将教長、冬)
「群書類従11」205ページ

ふゆこりに-いけへのあしは-むすほれて-したねとくへき-はるやまつらむ 
(夫木和歌抄・06621_清輔~日文研HPより)


「まきかえす(巻返・捲返)①」用例

2021年12月13日 | 日本国語大辞典-ま行

 「巻き返す」という語には「①ひろげたものを、巻いて元の状態に返す。」という語釈がありますが、日本国語大辞典よりもさかのぼる用例があります。

 (遠郷擣衣)
まきかへす程にやあるらんから衣とをちの里はうちたゆむ也
(巻第百七十三・丹後守為忠朝臣家百首、秋)
『群書類従11』322ページ


「むらはぎ」用例

2021年09月07日 | 日本国語大辞典-ま行

「むらはぎ(叢萩・群萩)」とは「むらがって生えている萩。」のことですが、日本国語大辞典用例よりもさかのぼる用例が複数あります。

うすくこくわきてやつゆもおきつらむまのゝむらはぎおのがいろいろ
(二三〇・嘉保二年八月廿八日 郁芳門院媞子内親王前栽合、2)
『平安朝歌合大成 増補新訂 第三巻』同朋舎出版、1996年、1539ページ

00596 師頼 ふたはより-あさたつしかは-しからめと-まののむらはき-はなさきにけり 
(堀河百首~日文研の和歌データベース)

00015 あめふれは-おもひこそやれ-つゆをたに-おもけにみえし(イおもけになひく)-まののむらはき
(六条修理大夫集~日文研の和歌データベース)

00306 頼政 ともすれは-しからむしかの-なきのみや-のへにかはれる-やとのむらはき 
(為忠家初度百首~日文研の和歌データベース)


「まどろみ」用例

2021年02月24日 | 日本国語大辞典-ま行

 「まどろみ(微睡)」という単語の早い用例として日本国語大辞典では「太平記」を挙げていますが、それよりもさかのぼる用例があります。

人のもとより帰てつかはしける 権中納言定頼 
心にもあらぬ旅ねのまとろみにほのみし夢を人にかたるな 
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)