つくはやま-をかたのさなへ-いそくとて-せくかたしけき-みなのかはなみ
(夫木和歌抄_基家~日文研HPより)
あやめくさ-をかたのもとに-まつかけて-たかためにとか-いそきひくらむ
(左京大夫八条山庄障子絵合~日文研HPより)
ゆふたちに-をかたのわさほ-つゆちりて-あきかせちかし-やまはたのいほ
(正治初度百首_信広~日文研HPより)
なへてはや-をかたのいなは-かりてけり-まくらのつきの-うすくものそら
(為尹千首_雅縁~日文研HPより)
つくはやま-をかたのさなへ-いそくとて-せくかたしけき-みなのかはなみ
(夫木和歌抄_基家~日文研HPより)
あやめくさ-をかたのもとに-まつかけて-たかためにとか-いそきひくらむ
(左京大夫八条山庄障子絵合~日文研HPより)
ゆふたちに-をかたのわさほ-つゆちりて-あきかせちかし-やまはたのいほ
(正治初度百首_信広~日文研HPより)
なへてはや-をかたのいなは-かりてけり-まくらのつきの-うすくものそら
(為尹千首_雅縁~日文研HPより)
田柳
春雨に野田の柳のいなむしろしくとはみれともる人もなし
(草根集~日文研HPより)
田雲雀
かへすよりあれにし野田の草の原むなしき床をとふひはりかな
(草根集~日文研HPより)
ときくれは-たこもいとなし-すかはらや-ふしみののたに-さなへとりつつ
(夫木和歌抄_仲実~日文研HPより)
秋田をよめる 為道朝臣
夕されは/野田のいなはの/ほなみより/尾花をかけて/秋風そ吹
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
はつせやま-みねのしかのね-さそひきて-ふもとののたに-そよくあきかせ
(歌枕名寄~日文研HPより)
秋山家枕
夜そなかき枕のみねの松風に野田のひたうつ秋の山さと
(草根集~日文研HPより)
冬鳥
秋過きし野田の芝生の霜原にむら鳥さわくいねやこくらん
(草根集~日文研HPより)
しもこほるのだのうはてにせくいけのみぎはになびくしのすゝき哉
(後鳥羽院御集~「和歌文学大系24」明治書院)
(しぎ)
霜がれのの田のくさねにふす鴫のなにのかげにか身をもかくさん
(新撰和歌六帖~「新編国歌大鑑2」)
こくさつむ-ふかたのあせの-さはみつに-わかなすすくと-そてぬらしつつ
(夫木和歌抄_為家~日文研HPより)
をやまたの-ふかたのかはつ-なにゆゑに-こひちにぬれて-なくならなくに
(古今和歌六帖~日文研HPより)
こなきつむ-ふかたのしろは-かきてけり-いそきてうゑよ-むろのはやわせ
(堀河百首_仲実~日文研HPより)
さなへとる-ふかたにわたす-いたふねの-おりたつことの-さもかたきかな
(堀河百首_匡房~日文研HPより)
正月廿一日、入相(いりあひ)ばかりの事なるに、うす氷はッたりけり、ふか田ありとも知らずして、馬をざッとうち入れたれば、馬の頭(かしら)も見えざりけり。
(平家物語・9~小学館「新編日本古典文学全集46」)
(略)国衡義盛の二箭に怖れ、重忠の大軍に驚き、道路を閣(さしお)き、深田に打入るの間、数度の鞭を加ふと雖も、馬敢て陸に上る能はず(略)
(吾妻鏡・文治五年八月十日条~龍肅訳注「吾妻鏡2」岩波文庫)
左京大夫経忠の八條の家にてかはつをよめる
おくろさきぬたのねぬなはふみしたきひもゆふましに蛙鳴也
(散木奇歌集~「群書類従15」)
さみだれて沼田のあぜにせしかきは水もせかれぬしがらみの柴
(聞書集~「新訂 山家集」(岩波文庫))
かるもかく-ぬたのこひちに-たつたこは-さなへよりこそ-そほつなりけれ
(俊成五社百首_俊成~日文研HPより)
わか恋は深き沼田の心ちしてこゝともえこそ思ひかへさね
(正治二年院御百首_藤原経家~「続群書類従14下」)
殿下にて恋の歌よませ給けるにつかうまつれる
君こふとゐの刈藻よりね覚して編けるぬたにやつれてそみる
(散木奇歌集~「群書類従15」)
こひをして-ふすゐのとこは-まとろまて-ぬたうちすます-よはのねさめに
(久安百首(久安六年御百首)_郁芳門院安芸~日文研HPより)
ねせりつむ-はるのさはたに-おりたちて-ころものすその-ぬれぬひそなき
(好忠集(曾丹集)~日文研HPより)
百首歌よませ給うける中に、沢若菜 伏見院御製
春あさき雪けの水に袖ぬれて沢田のわかなけふそ摘つる
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
はるさめの-ふりみふらすみ-そてぬれて-さはたのあせに-こなきつむなり
(新撰和歌六帖_光俊~日文研HPより)
みつまさる-さはたにしける-ふかせりの-ねもみぬひとを-かくこひめやは
(新撰和歌六帖_家良~日文研HPより)
誰かためか春のさはたのうす氷われてもけふのわかなつむらん
(百首歌合_建長八年九月十三日~日文研HPより)
ふしみつや-さはたのさなへ-とるたこは-そてもひたすら-みしふつくらむ
(夫木和歌抄_俊成~日文研HPより)
あめはるる-さはたのさなへ-みつふかき-みきははかりに-けふやとるらむ
(草庵集_頓阿~日文研HPより)
早苗
しつのをか沢田さし行く板舟をおりたたすしてとる早苗かな
(草根集~日文研HPより)
五月五日、粽(ちまき)を人のもとにやるとて
深沢田(ふかさはだ)みぎはがくれの真菰草昨日あやめに引かされにけり
(和泉式部集~岩波文庫)
かけうつす-さはたのみつの-かきつはた-そこのこころは-へたてさりけり
(為家五社百首~日文研HPより)
さひしさを-とふひともかな-しきのたつ-さはたのいほの-あきのゆふくれ
(弘長百首_行家~日文研HPより)
田上鴫
あくるまてかくや百羽をやすめつつくるる沢田に鴫のふすらん
(草根集~日文研HPより)
濡れつゝも鶉なくなる深草や。/\。誰を忍ぶの浅茅原実に住み捨てし故郷の。野となりてしも露繁き。草のはつかに暮れ残る。伏見の沢田水白く薄霧迷ふ夕かな。薄霧迷ふ夕かな。
(謡曲「花軍」~半魚文庫「謡曲三百五十番」より)
あさひかけ-うきよのやみに-いてそめて-(略)-やまのさつをの-しらまゆみ-すゑのみのりに-うまれきて-さはたのうきに-せくみつの-ふかきにこりに-おほほるる-(略)
(続草庵集_頓阿~日文研HPより)