母子(ははこ)つむやよひの月になりぬればひらけぬらしなわがやどの桃(好忠集)
ははこ摘むをとめが袖はゆふまぐれ霞にのみぞたなびきにける(林葉集)
花の里こころも知らず春の野にいろいろ摘めるははこもちひぞ(和泉式部集)
母子(ははこ)つむやよひの月になりぬればひらけぬらしなわがやどの桃(好忠集)
ははこ摘むをとめが袖はゆふまぐれ霞にのみぞたなびきにける(林葉集)
花の里こころも知らず春の野にいろいろ摘めるははこもちひぞ(和泉式部集)
春ごとに幣(ぬさ)とりむけて宮人(みやひと)の年をいのればうべもとみけり(白河殿七百首)
祈るてふ年の緒ながき君が代を三ちぢあまりの神やうくらむ(年中行事歌合)
あらたまの年を祈るとひく駒の跡も久しききさらぎの空(夫木抄)
花さかでいく世の春にあふみなるくち木のそまの谷もむもれ木(新勅撰和歌集)
朽ちにける身の埋木は春くれど花をばよそのものとこそ見れ(久安百首)
年ふれど春に知られぬ埋木は花のみやこにすむ甲斐ぞなき(金葉和歌集)
春ごとにわすられにける埋木は花の都をおもひこそやれ(後拾遺和歌集)
かずならば春をしらましみ山木のふかくや苔にむもれはてなむ(新勅撰和歌集)
位山(くらゐやま)花を待つこそ久しけれ春のみやこに年はへしかど(千載和歌集)
人はみな越えぬるあとの位山おくれてだにものぼりかねつつ(新後拾遺和歌集)
玉桙のみちある御代(みよ)の位山ふもとにひとりなほまよふなり(新後撰和歌集)