「星の宿り」という語には「星の位置や運行。星座。」という語釈があり、日本国語大辞典第2版では、『高遠集』(1011-13頃)からの例を挙げていますが、100年ほどさかのぼる用例があります。
ひつきゆくほしのやとりはかはるともしらきのくにはかちはかわかし
(巻第四百四・日本紀竟宴和歌)
『続群書類従 15上』1979年、57ページ
「星の宿り」という語には「星の位置や運行。星座。」という語釈があり、日本国語大辞典第2版では、『高遠集』(1011-13頃)からの例を挙げていますが、100年ほどさかのぼる用例があります。
ひつきゆくほしのやとりはかはるともしらきのくにはかちはかわかし
(巻第四百四・日本紀竟宴和歌)
『続群書類従 15上』1979年、57ページ
「踏み破る」という語の「①踏んで破る。踏んでこわす。蹴やぶる。また、ぶちこわしにする。」という語釈は日本国語大辞典第2版では、『日葡辞書』(1603-04)の例を早い用例として挙げていますが、100年以上さかのぼる用例があります。
すはや地獄に、帰るぞとて、大地(だいジ)をかっぱと、踏み鳴らし、大地をかっぱと、踏み破つて、奈落(ならく)の底にぞ、入(い)りにける。
(謡曲「野守」)
『日本古典文学大系40 謡曲集 上』岩波書店、1960年、317ページ
「はしりとび(走跳・走飛)」は、走って行って跳ぶこと。助走をして跳ぶこと。日本国語大辞典第2版では、『日葡辞書』(1603-04)の例が引かれていますが、100年以上さかのぼる用例があります。
ただ目を塞ぎ走り飛びに致して(略)
(謡曲「丹後物狂」)
『日本古典文学大系40 謡曲集 上』岩波書店、1960年、204ページ
「日を暮らす」という用語には「①日が暮れるまで時を過ごす。」という語釈がありますが、日本国語大辞典よりもさかのぼる用例があります。
秋の夜のながゐをやせんはかなくてもみぢの河に日をくらしつつ
(躬恒集・120)
『新編国歌大観7』17ページ
わすれかひ-よせもやすると-すみよしの-きしのわたりに-ひをくらしつる
(元真集)~日文研HPより
「春風の」という枕詞には「春風が吹く意で、「吹く」と同音の「拭く」や、地名「吹上」にかかる。」という語釈があります。日本国語大辞典用例よりもさかのぼる和歌用例があります。
雲の上にちりそまかへる春風の吹あけの浜の梅の花かひ
(巻第二百六十四・出観集)
『群書類従・第十五輯(訂正三版)』1987年、347ページ