洗心 senshin

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疾翔

2014-08-20 12:33:00 | ノンジャンル

まさか

彼(彼女)が

海峡を疾翔する姿を

この眼で確かめられるとは…

蝶類との交流冥利に尽きる。


その日はよい天気ではあったが

そこそこに風強く波荒く

連絡船は豪快に飛沫をあげ

波を突っ切って走っていた。

乗客は大橋を臨む美しい景色と

スリルに歓声を上げ

誰もがハイテンションだった。


そんなとき

(自分以外の誰も見ることは出来なかったが)

彼(彼女)が海上を一直線に翔んで来た。

確かに一瞬のストップモーションの

美しい容姿を見逃しはしなかった。


間違いなく

見慣れた(見間違うはずのない)

アオスジアゲハである。


風に煽られたのか

まさか認知させてくれるために速度を落としたのか

それはほんの一瞬だった。


それからすぐに疾翔モードとなり

小さな影となって遠ざかって行った。


ますます蝶類に魅せられる

今日この頃である。