ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

世界銀行

2007-05-16 09:28:29 | Public
世界銀行の総裁が、組織内の恋人の給料を不自然に吊り上げたとして、同僚から非難を浴びているらしい。4月に発覚した事件で、このたび重役会議が開かれるようになったと、BBSが伝えている。そのガールフレンドは、大した経歴も無いのにライス国防長官以上のサラリーをもらっていたらしい。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/6659433.stm

今まで知らなかったのだが、大したニュースではないと判断されているのだろうか?「不正一掃」を途上国に求め、資金援助の条件としたりしている世界銀行が、格好悪い話である。しかも、彼はこの職を続けることを訴えている。


「なぜ、世銀の職員の給料がライス国防長官のそれと比べられるのだろうか?」


1946年~1946年:ユージン・メイアー
1947年~1949年:ジョン・ジェイ・マクロイ
1949年~1963年:ユージン・ロバート・ブラック
1963年~1968年:ジョージ・デビット・ウッズ
1968年~1981年:ロバート・マクナマラ
1981年~1986年:アルデン・ウィンシップ・クローセン
1986年~1991年:バーバー・コナブル
1991年~1995年:ルイス・トンプソン・プレストン
1995年~2005年:ジェームズ・ウォルフェンソン
2005年~     :ポール・ウォルフォウィッツ 

彼らは、アメリカの政治家だからである・・・少なくとも彼と、マクナマラは。
マクナマラはベトナム戦争時に国防長官を務め、ジョンソンと折り合いが悪くなり、突如世銀の総裁へと更迭されている。
まったく同じように、2001年から国防副長官を務めていたウォルフォウィッツは、2005年3月、世銀の総裁に就いた。その1年半後には、国防長官であるラムズフェルドが更迭されているのは有名な話だ。

つまり、世銀の総裁は、アメリカ大統領が人事権を持ち、概して「更迭先」として位置づけられている。別枠の「チーフ・エコノミスト」というのが、経済の専門化が収まるところであり、スティグリッツが就いていた職だ。

アメリカ政府から追い出された政治家に、開発途上国の資金計画方針が決められている。多数決投票という民主主義システムが取り入れられていない世界政策決定機関は、もう少しましな人事システムで行われてもいいんじゃないか、と思ってしまう。

THE LAST OF MOHICANS

2007-05-16 01:01:38 | Movie
1992年/イギリス ★★★★


1757年、独立前夜のアメリカを、イギリスとフランスによる植民地戦争が激化していた。「フランス軍にやられた部族」はイギリス軍へ、「イギリス軍にやられた部族」はフランス軍へ、と、西洋人に民兵として組織されたインディアンたち。
斧を血で染めながら人を殴り殺すやり方と、確実に標的を撃ち殺す銃殺方法が繰り広げられるインディアン闘争―――こじれた対立関係の中で、憎しみのままに虐殺を繰り返すヒューロン族から、イギリス女性を守るモヒカン族の姿を描いている。

・・・

西洋人がもたらした価値観は何か―――それは論理であり、心に思うこと以外を人に行動させる術、と言えるかもしれない。権利や契約、法律、規律。それが戦争・略奪を正当化してしまったり、合理化していたりする。

彼らは、それ以前の感情で生きている。斧それが、イギリス女性(ヒロインとその妹)と、イギリス将校がヒューロン族に捕らわれたときに、長老が命じたその処置に表れているように思った。

(ネタばれ注意)

一人(ヒロインの妹)はお前の女とし、傷を癒しなさい。
一人(イギリス人将校)はイギリス軍に渡して和平を結ぼう。
そして一人(ヒロイン)は火あぶりにして喜びを分かちあいなさい。

全員を釈放するとか、取引するとか、そういうのではないのだ。

そこに、前近代の有無を言わさぬ価値体系を見たように思った。