超妊娠初期、という弟夫婦の話を書いたが、半月前くらいに切迫流産で入院し、2週間会社を休んでいたそうだ。業務上、4月、5月がものすごく忙しくて、毎日午前様の早朝出勤、というような仕事をしているらしく、復帰したくなくて、でももう医者には診断書を書いてもらえない・・・といった話を聞いた。労働基準法では、妊産婦が時間外労働をしない権利が認められていることを思い出し、そのような知識のニーズがあるかもしれないと思ったので(自分の勉強のためにも)まとめておく。
●妊婦、産後1年を経過しない女性は、時間外労働をしない権利がある(労働基準法66条1項)
妊産婦は、使用者に対し、時間外労働の制限を申し出ることができ、その場合、使用者は時間外労働・休日労働をさせてはいけません。時間外労働=法定の1日8時間を超える労働。変形労働時間制を取っている(みなし労働時間を採用している)職場でも、同様に8時間以上働かせてはいけません。36協定で1か月45時間とか、残業の上限を決めていたりする場合でも、当然、妊産婦にはそれを回避する権利があります。ただし、女性が管理監督者(部長とか、店長とか、自分で労働時間を再配できる立場にある人、そもそも時間外労働の制限はない)である場合は除きます。
●妊産婦は深夜業をしない権利がある(労働基準法66条3項)
妊産婦が請求した場合、使用者は妊産婦に対して、深夜業=午後10時以降の労働、をさせてはいけません。
●軽易な業務への転換を申し出ることもできる(労働基準法65条3項)
妊娠中の女性が請求した場合、使用者は女性を軽易な業務に転換させなくてはいけません。
ちなみに、どれも、「女性が請求した場合」。それと、「産後1年間」という場合の「産」には死産(妊娠4か月目以降の流産)も含みます。もちろん派遣社員にも認められるもので、時間外労働については派遣先の企業が、軽易な業務への転換については派遣元企業が、その義務を負います。