子どもたちの現場、についての本を続けて読んだ。
『子どもたちの〜』は、イギリスのある地方都市の、低所得者向け託児所が舞台。保育士として働く著者が、ルポ風コラム?を連載したもの。主観丸出し、コラムなので口調も時折崩れつつ、構成が上手いのかくだけた感じでもない。
所得階層に人種問題が絡み、複雑に、でも確実に階級社会であることを、日々の保育業務を通して描く。以前は、生活保護のような福祉給付で生き延びていた低所得階層が、著者の職場から消えて行き、難民家族ばかりの利用になってきたが、彼ら彼女らがイギリスの低所得者たちを見下し、子どもたちを一緒に遊ばせたくないと話す現実。(ついでに、オリバー・ツイストの映画も観直した)
『ルポ〜』は、日本の公立中学校の保健室をいくつか継続取材して、描写の間にフリーライターである著者の考察や養護教諭の解説が入る。文体は崩れない。
家族と学校の間に位置する保健室が、家族の不備(愛情を持って、経済的に安定したケアされていない)と、学校の教室における不備(いじめに教師が対処してくれない、居場所がない)を補完する場所。私が今、障害のある人向けにやっていることにとても似ていると思った。家庭と職場(就職)の間。私自身は小中高と、保健室に行った覚えがないから、悩み相談に行く子どもたちが新鮮だし、確かにその狭間機能を担う場所と人は必要だ。ときどき来るソーシャルワーカーに、「場所」の機能はない。
・・・どちらも関心のあるテーマだったので一気に読めたのだが、断然、前者の方が読みやすく面白かった。舞台がイギリスで、刺激的だからだろうか。それよりも、主観の入り方、私の考え方との距離の近さがあるからかなと思った。後者の方が、なんというか上から目線に感じた。第三者が描くとそうなってしまうのかも。
『子どもたちの〜』は、イギリスのある地方都市の、低所得者向け託児所が舞台。保育士として働く著者が、ルポ風コラム?を連載したもの。主観丸出し、コラムなので口調も時折崩れつつ、構成が上手いのかくだけた感じでもない。
所得階層に人種問題が絡み、複雑に、でも確実に階級社会であることを、日々の保育業務を通して描く。以前は、生活保護のような福祉給付で生き延びていた低所得階層が、著者の職場から消えて行き、難民家族ばかりの利用になってきたが、彼ら彼女らがイギリスの低所得者たちを見下し、子どもたちを一緒に遊ばせたくないと話す現実。(ついでに、オリバー・ツイストの映画も観直した)
『ルポ〜』は、日本の公立中学校の保健室をいくつか継続取材して、描写の間にフリーライターである著者の考察や養護教諭の解説が入る。文体は崩れない。
家族と学校の間に位置する保健室が、家族の不備(愛情を持って、経済的に安定したケアされていない)と、学校の教室における不備(いじめに教師が対処してくれない、居場所がない)を補完する場所。私が今、障害のある人向けにやっていることにとても似ていると思った。家庭と職場(就職)の間。私自身は小中高と、保健室に行った覚えがないから、悩み相談に行く子どもたちが新鮮だし、確かにその狭間機能を担う場所と人は必要だ。ときどき来るソーシャルワーカーに、「場所」の機能はない。
・・・どちらも関心のあるテーマだったので一気に読めたのだが、断然、前者の方が読みやすく面白かった。舞台がイギリスで、刺激的だからだろうか。それよりも、主観の入り方、私の考え方との距離の近さがあるからかなと思った。後者の方が、なんというか上から目線に感じた。第三者が描くとそうなってしまうのかも。