亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

オルタナティブ投資の延長線上で導入された金ETF

2018年03月06日 23時31分10秒 | 金市場
ブルームバーグが、ハーバード大学の寄付基金が2012年に投資したブラジル北東部の農業開発に投資したものの、失敗に終わり手を引こうとしていると先週末に報じていた。投資額は少なくとも1億5000万ドル(約160億円)とされる。トマトピューレや砂糖、エタノールを作り販売することで収益を上げる予定だった。他にもウルグアイでユーカリ農園にも投資していたものの、こちらも思惑外れに終わり、一部を売却。こうした失敗の結果、同基金の天然資源ポートフォリオは、昨年、評価の見直しに際し11億ドル(約1160億円)引き下げられたとしている。つまり、それだけの損失を出したということ。

いまから15年ほど前に、オルタナティブと呼ばれる代替投資が欧米の年金などにさかんに導入され、ブームになった。ITバブルが弾け、痛手をこうむったという時代背景もあっただろう。森林投資なども紹介され、米国の金利水準や株価にかかわらず「木は育つ」というわけだ。アセット(資産)間の関連性はない。つまり分散投資の対象として、こうしたものが選ばれた。米国の年金基金で最大のカルパース(カルフォルニア州職員退職年金基金)が、たしかワイナリーの経営に乗り出したりということも話題になったと思う。そうした流れの中で、運用手段という点で斬新さがあったヘッジファンドへの投資も盛んに行われたのが、この時代だった。どんな環境でも一定の収益を上げるモデルを売り物にしていた。

金のETF(上場投信)の商品かもこうした中で進められ、日の目をみることになった。

日本時間の今夜は、ドルインデックス(ドル指数、DXY)の下げが目立つ中で、逆相関で金が買われNY金は1334ドルまで見ている。今なお1310~1360ドルのレンジの中でのこと。足元はドルを見ながらの反応に始終。株式市場はほとんど関係なし。


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