亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

コーンNEC委員長辞任の市場への影響度を計る金市場

2018年03月07日 23時38分45秒 | 金市場
日本時間の本日午前7時半(米国東部時間の6日夕刻5時半)に、ゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長辞任のニュースが流れ、ドルが売られたことから、金市場ではアジアの寄りはジャンプスタートとなる1339.50ドルで取引開始。その後は、一時1342.00ドルまで買われる局面が見られた。コーン委員長は、トランプ大統領が今週中にも正式決定すると見られる鉄鋼とアルミの輸入規制に反対の立場とされていた。

実際にコーン委員長は、高率関税実施を阻止するために、鉄鋼とアルミの輸入金属を使っている米企業幹部をホワイトハウスに招いて、大統領と協議する会合を設定していたとされる。この会合は辞任表明後、大統領によってキャンセルされている。

前日にこの輸入規制に反対の意を表明したライアン下院議長は、6日も対象国が広範囲過ぎると細かな対応を求め、マコネル上院院内総務も共和党上院議員の間でも規模が大きい貿易戦争に発展すると懸念する声が出ているとした。

この辞任のニュースが流れて以降、アジアから欧州の時間帯にダウの先物が大幅安となっており、これから始まる株式市場の上昇が注目事項となっている。昨年夏の人種問題に派生するトランプ発言に反発し、辞任観測が流れた際には、株安を招いた経緯がある。

金市場については、北朝鮮情勢の雪解けを思わせるニュースや、総選挙の結果を受けたイタリア政局の流動化懸念、そしてにわかに飛び出したコーン委員長の辞任と複数の材料の綱引き状態、あるいは一方で“共鳴する状態”になっている。日本時間の朝からここまで、結局高値は1342ドルまでで上値の重い展開は、週末に米雇用統計を控えていることもあろう。その前に輸入関税を巡るトランプ大統領の決定内容がどのようなものになるかで、金市場の反応も温度差がありそうだ。

ボスティック米アトランタ連銀総裁は、さきほど「コーン氏の辞任は、これからの経済政策が不透明になり(景気に)影響を与えるだろう」、「関税の可能性は景気刺激策の上昇を切り落とし、FRBの利上げを遅くさせるだろう」と話したと伝えられている。FRBの高官がホワイトハウスの人事にからみこうした発言をするのは異例と思われる。





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