昨夜は時間がなく、書けなかったことを少し詳しく書いてみよう。
16日のNY金市場(コメックス)は通常取引開始10分後に発表された7月の消費者物価指数(CPI)が予想に届かず、インフレを懸念する状況にないことを受け1360ドル台中盤まで買い進まれた。そして、その直後から急反落となった。引け値(清算値)は9.40ドル高となったが、一時は前日比マイナス圏に沈み、先週12日金曜に続き“行って来い”状態を思わせた。
ニュースで取り上げられたNY連銀ダドリー総裁の「9月利上げの可能性がありうる」発言が背景だった。8月5日のここでも指摘したが、FRBはFOMC議事録を、時に単なる議事録というより先行きを示唆するツールに使うことがあると見ている。
直近では日本時間の5月19日早朝に発表された4月のFOMC議事録がそうだった。現地4月27日に発表された声明文はハト派的内容でウォール・ストリート・ジャーナルも「追加利上げを急がない姿勢を示した」と報じた。
しかし、3週間後の議事録では「大半の政策当局者は、経済の改善が続いた場合は6月の利上げが適切になるとの認識を示した。ただ6月会合までにそうした状況になり得るかどうかについては、意見が分かれた」となった。オイオイオイオイ、ちょっと待てよ・・・・という感じの、大転換だった。
この日から、NYコメックスの金は8営業日続落となった。8営業日目にはイエレン議長が登場し、ハーバードでのマンキュー教授との対論で利上げに前向きなスタンスを示し、いわばダメ押しをした。金は1200ドル割れ寸前まで売られたのだった(・・・しかし割れなかった)。
その議事録発表の前日には、サンフランシスコ連銀、アトランタ連銀それぞれの総裁が利上げに前向き発言をしていた。
ダドリー発言は、そう古くないこの記憶を日々(真剣に)金市場を見ている人には、蘇らせたと思われる。
日本時間の明日早朝3時の議事録発表を控えて思うのは、レイナードFRB理事を中心とする慎重スタンスが幅を利かしているとみられること。その点で、5月とは異なると思うのだが。
まぁ、答えは8時間後に出ます。