亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

最高値、最高規模の買い建て玉

2009年09月14日 23時53分26秒 | 金市場
一昨日土曜日の午後は、都内でセミナー。そして本日の午後は先日ここでも告知をしたセミナーだった。ドル建て金価格終値ベースでの高値更新は、先週末各メディアが早朝のニュースの時間帯でカバーしていたとおり。終値でみた場合の史上最高値更新となった。週末金曜日はCFTC(米商品先物取引委員会)による建て玉残高の明細が発表され、予想通りの買い建て玉の急増となっていた。

ファンドのネット買い越し残(オプション除く)は、重量換算で、こちらも記録となる698トンに。ここまでの記録は初めて1000ドル大台を突破する約1カ月前2008年2月19日の660トンだった。それにしても1週間で125トンの増加とは、いわゆる“提灯買い”も記録的な規模となっている。市場規模の拡大を意味するが、同時にこれだけの益出し期待の建て玉がぶら下がるとなると、一般的には値動きも重くなるのは避けられない。それでも足元の価格は、1000ドルの攻防戦となっており、利益確定の売りを消化しているような状況となっている。

ここまで2度に渡った1000ドル超えは、いずれもその直後に急落という経過をたどってきた。

2008年3月の際は、1004.3ドル(3月18日)というこれまでの終値ベースの最高値を記録した翌日には59ドルもの急落に見舞われ、その翌日も25.3ドル安と2日で84.3ドル安となった。さらに今年2月20日の1000ドル超の際には、翌日からなんと8営業日続落状態となり、都合95.5ドル安という暴落状態だった。結果的には、いかにも急な買い上がり(「力技」?)が、つぎのモメンタムを作ることなく頓挫ということだった。

先週9日水曜日にここで「本日から週末にかけてのNYの展開は、いまの市場のいわば“持久力”を見る上で試金石となりそうだ。今回の展開はこれまでとは違うと思う」と書いたのは、そうした過去の値動きとの内容の違いを感じてのものだった。ここまでの経過はやはり、相場は粘り腰を発揮しているといえる。1000ドルを受け入れにかかっていると言っていいだろう。なぜ「内容の違いを感じる」のか?旧投資銀行系のディーリングと目される資金の流入があったと見られるからだ。先月のNY株式での金融低位株の乱高下の次のターゲットになっている可能性があるのではないかと思っている。

本日はセミナーに参加いただいた皆さん、お疲れさまでした。当ブログのライブ版という位置づけで、もう一度今週17日に夕刻の開催です。ところで、サブタイトルを「金価格を見る勘どころ」から「需給構造の変化と金価格革命」に変更していたのですが、気づきましたか?

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あれから8年(9月11日) | トップ | 難しいサジ加減 »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
気づきませんでした (fairlane)
2009-09-15 01:26:12
テキスト見ますとそうなってますね
正直、脱線気味のお話の方が面白かったです
木曜参加の方のためにネタバレは書きませんが、なかなか思い切ったことを言われてまして、得るところが大きかったです

ありがとうございました
返信する
17日 (ai)
2009-09-15 09:25:05
17日のセミナーは参加できますでしょうか?
返信する
Unknown (星の王子様)
2009-09-15 11:11:40
  初めて”金”セミナー拝聴しました。

  中身濃かったですね。当方には割安でした。


  中国、ロシアの公的購入がどうなるのか。ここが長めでは注目なのかとの印象です。如何でしょうか。
返信する
上級者セミナー (ささやか)
2009-09-15 18:38:48
このブログを読んでないとわからないのでは?と思いました。パワー全開・力の入ったセミナー有難うございました。
ちょっと気になる事。
FRBがAIGなど債権買い取りの利回り、当時の時点では極めて低い利回りであの「救済劇」がなかったら現在の小康状態は無かった気がします。このまま景気回復・秩序ある金融体制に移行できるなら、FRBの財務状況も良好を維持できるけど…FRBは他の投資主体とは異なり、「値上がりした、儲かった」と言って売れないんですよね。きっと。
返信する
気付きました (silverweek)
2009-09-15 20:08:04
じっと表紙のサブタイトルを見ていました。革命というからには、整数倍かと思いました。最近T橋Y夫さんの動静をききませんが、彼がいうレベルを想定しているのか質問したかったです。ハイ。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事