亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

治に居て乱を忘れず

2018年08月23日 23時17分48秒 | 金融市場の話題
注目の7月31日―8月1日のFOMC議事要旨は、近い将来に利上げを実施する可能性について討議したという、まずは織り込み済みの内容に。金利先物から読む9月のFOMCでの利上げ見通しは既に90%を超えており、むしろ上げない(上げられない)方が、市場の波乱につながる可能性があるといえる。

気が付けば次回のFOMCも1ヵ月後のこと(早い!)。利上げよりも、次回は参加者の経済見通しが示される会合(+議長の記者会見)ゆえに、新たに加わる2021年の見通し、とりわけ政策金利の見通しが重要注目事項となる。FRBによる来年以降の利上げについて、打ち止め観測が漂い始めているのだが、その方向性を探る材料となることによる。

通商を巡る緊張の高まりが経済にもたらし得るリスクについても多くの時間が割かれたとされ、「すべての参加者が、通商問題が不確実性とリスクの重大な根源になるとの見方を示した」としている。また、将来の景気後退局面に際し、再びゼロ金利に陥った以降の対応策について話し合われたと見られる。この辺りが、FRBのすごいところで、この先のリッセッション(景気後退)時に、スタート地点の金利水準が低いことから、利下げするとゼロ金利への到達は早かろう。問題は、その後、どうするかを話し合っているということ。まさに、「治に居て乱を忘れず」というスタンス。

なお本日から3日間の予定で米ワイオミング州の避暑地(冬はスキーリゾート)ジャクソン・ホールにてカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウムが開かれる。24日にはパウエルFRB議長が講演予定となっており、直近のトルコ問題など新たな流れを含めどの程度の話になるか。

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