週明け1月27日のNY金は比較的大きく反落した。
昨日ここに、NYコメックスの買い残(ネットロング)が、最高値の更新を続けていた10月来の高水準として、内部要因からの過熱感を指摘したが、27日週初のアジア時間から売り優勢の流れに転じていた。
最高水準の買い残は、上昇基調(モメンタム)に陰りが出ると売り先行の流れに傾きやすい状況にあった。
27日は、そこにNY株式市場でハイテク株が大幅安となり、ナスダック総合株指数は前日比612.47ポイント、3.07%安の1万9341.83と昨年12月18日以来の下げ率に。これまでAI(人工知能)をテーマにした相場をけん引してきた象徴銘柄エヌビディアが1日で一時18%安となるなど大荒れの中で、もともと下げていたNY金だが、現金捻出(cash-out)の益出し売りが下げ幅を大きくした。NYコメックスの通常取引は、前週末比40.50ドル安の2738.40ドルで終了した。
27日の米株式市場では、中国の新興企業DeepSeek(ディープシーク)が公開した低コストの人工知能(AI)モデルを受け、AIの収益性や先端半導体への旺盛な需要に対する投資家の 警戒が広がりハイテク株が売り込まれた。俄かに浮上したDeepSeek(ディープシーク)。AI分野で米欧企業の優位性を崩すとされるが、どの程度のものなのか。人により評価に温度差があるようだ。
資金の流れは、米国債に向かい指標となる10年債利回りは一時4.501%と5週間ぶりの水準まで低下した。
トランプ新政権の動きとしては、報じられているように26日トランプ大統領は、強制送還される不法移民を巡る対立を理由にコロンビアに25%の関税を賦課するといったん表明。ただその後に両国はこの問題で合意に達し、トランプ氏は関税を保留すると発表した。いわゆる関税発動をちらつかせ相手に譲歩を迫るトランプ・ディールの第2次政権下での最初のケースといえる。
先週は、中国とカナダ、メキシコ、欧州連合(EU)に対して行動を起こすと脅している。また、石油輸出国機構(OPEC)に対して原油価格引き下げを働き掛けると発言。原油価格が下がれば、米連邦準備理事会(FRB)に対し即座に利下げを要求するとしている。また原油価格の低下によりロシアの収入が減り、ウクライナでの戦争終結につながるとの考えを示している。
そのFRBは本日28日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。政策金利の据え置きが織り込まれている。利下げ圧力を掛けるトランプ大統領の発言もあり、会議終了後の記者会見にてパウエル議長の発言が注目されている。
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