亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

(ロンドン時間)真夏の夜の出来事

2006年07月11日 15時29分04秒 | 金市場
昨日の午前だからロンドン時間の夜中、ちょっとした出来事があった。というのも毎日公表されている(WGCが商品開発にかかわった)金ETFの残高が前日比70トン余りも急減したからだ。結果的には、なんらかのシステム障害で一時的にネット上での残高の表示がされなかったことから発生したトラブルで、既に元に戻っているのだが狐につままれたような話だった。上場投信という商品の性格上(昨日の今日で)いきなり残高がゼロになることは考え難いからだ。具体的には、ロンドン証券取引所とユーロネクスト・パリ市場の2ヵ所に上場されているGold Bullion Securities の(支配下にある金地金の重量)残高7月6日時点で78.23トンの表示が7日のデータでゼロと表示されたもの。7月10日付けのデータでは表示が正常に戻り、NY証取上場のGLD(streetTRACKS)がこの間に7.41トン残を増やしているため全体では残高記録を更新中という状況となっている。ちなみに中心になっているGLDは6月13日の金価格急落時からここまで約30トンほど増加している。

先日、7月5日付け欄のコメントに金ETFが伸びることは先物市場を脅かす存在になるのか?との質問があったが、どういう側面での話なのかということで答えは異なるが、先物市場はそのまま存在するし、ETFは競合商品というよりも投資家の裾野を広げるという位置付けになると思われる。金ETFは現物取引に準じるものであって、先物取引と性格を異にするので棲み分けが起きると考えている。

さて明日12日は米国で5月の貿易収支の発表が予定されている。先週末の雇用統計ほどには注目されていないが、米国経済の減速を示すデータが増えている折でもあり予想値以上の拡大はドルの売り材料になりそうだ。ポールソン新財務長官の発言が楽しみだ。

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