予定通り政策金利を0.25%引き上げ1.5%としたECB。すでに市場では織り込み済み。理事会後の記者会見でトリシェ総裁は、インフレのリスクは上方向に傾いているとの見方を示し、動向を注視(monitor very closely)」とした。連続はないが、まだ上げる・・・が市場の受け止め方。
注目のギリシャやポルトガルなどの財政危機問題。ギリシャ救済については、(検討されている案がいかなるものでも)「選択的デフォルト」や(ギリシャの返済能力を否定するような)「信用事由(credit event)」をECBは受け入れないとこれまでの立場を強調した。
ギリシャ債のデフォルト認定がなされた際の対応等には明言を避けたのは、そもそも同総裁が「no credit event, no default」と繰り返し発言したとされるので、「ない」ものの対応を答える必要はなしということか。昨年のユーロ圏の金融機関ストレステストに際しても、そもそもデフォルトなどないのだから、償還時には元本は確保される前提にしてよろしい・・・としたのと整合性はある。非常に無理しているが。。現状より建前を通さざるを得ない苦境というべきか。通さないと支えの仕組みが瓦解する。王様はあくまで服を着ているわけだ。
ムーディーズに投機的ランクに格下げされたポルトガル国債について担保の最低格付け規則の適用をやめるとした。これは投機的ランクに格付けされた債券は通常は担保として受け入れないが、特例として受け入れるという意味合い。受け入れないと欧州金融界はパニックに陥ることになる。
すでにギリシャ、アイルランドの国債を対象にこの措置が取られている。いわば緊急避難措置といえるが、“緊急” が常態化し、ギリシャ国債はその上さらにランクが落ちているのが現状となっている。この措置も市場では織り込み済み。この織り込んでいる状態が、モラル・ハザードといえる。いずれにしても時間の経過が現状を浮き彫りにする。
さあ、雇用統計。失業保険新規申請件数、ADP民間雇用ともに予想よりよかった・・・・といってもたいしたことはないのだが・・・・ということで、雇用増を上方修正するところが増えたと。ならば多少の改善は織り込み済みか。結果を見ましょ。
日本の国債もいつ暴落しても不思議ではない。
国債の暴落に伴い、金融機関の異常ともいえる偏った資産は激しく劣化し金融不安を招くだろう。
残された期間は、それ程長いとは思えない。
備えあれば憂いなし、、、