亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

利回り争奪戦という名の“バブル”(次への動きは始まっている)

2016年06月10日 22時55分00秒 | 金融市場の話題

一昨日はドイツ、英国のいずれも10年債が過去最低利回りを記録。つまり債券価格は過去最高値を更新する高値に。ここで取り上げようと思ったが、失念・・・書きもれ。この波は本日、日本にも到達し10年債利回り(「長期金利」と呼ばれる)は、午前中にマイナス0.145%と4月21日の記録を更新しマイナス利回りは深化。そして15年債も本日初めてマイナス利回りに突入。ユーロ圏の国債利回りの急低下は、ECBの量的緩和策が下地を作り、実際にマイナス利回りを深めているのは、「利息追及」のジャパン・マネーの流入がもたらしている現象との指摘が欧米メディアにはある。ごもっとも、なのだ。

いずれにしても日本国債も過去最高値を更新中で、いまや償還まで持つと15年以下の国債はすべて損になる高値に買い上げられている。債券の中でもっとも信頼のおけるのが国債というのは昔からそうで、だから年金基金などは堅く利息を得るために国債を保有してきた。それがいまや運用せねばならない資金は入って来るが、買える国債がない。必然、株や外債に流れる。欧州の年金など、金に流れても不思議はない環境で実際に欧州に限らず流れている。少子高齢化が叫ばれる日本など、運用がうまくいかないと年金制度が機能しなくなる。

いずれにしても中銀(日銀)が政策的に(結果として)つくった国債バブルが進行中。現状を見ていて「もうは、まだなり」と思う。

振り子は振り切れるところまで行かないと、戻ってこない。予想はされたが、ひどいことになったもんだ。

中銀の政策能力への疑問が高まる中で、高度なIT技術(ブロック・チェーン)を使った中央銀行抜きの仮想通貨の開発が一方で静かに進んでいる。次への、動きは始まっている。



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