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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ギリシャの比ではない

2012年05月21日 23時29分24秒 | トピック
ギリシャのユーロ圏離脱について、そうなった際に想定される事態や、様々なシナリオが多くのメディアで伝えられている。事態が落ち着くまではどう考えてもギリシャ国民には今以上・・・というより今より遥かに厳しい状況が待っているというのが大勢的な見方で、これはそうだろう。そんなことになったなら、周りも無傷でいられないのだから、逆説的に離脱はないという見方をする米証券会社もある。人口1100万人で経済規模(GDP)にして埼玉県より少し大きいくらいの国にしてこんな感じ。ただし、これらは机の上の話であって、現実は様々な想定外もありどんな出方をするかはわからない。

そこで思うのは、我らが日本のこと。近い将来日本国債が暴落し、金利は急騰、いよいよ日本国破たんで円も暴落というシナリオを解いた書籍は複数あるとのことで、セミナーなどでその類の本を読み心配になったと質問される参加者は少なくない。確かに今の政府債務の規模だけを見れば、これは限界点が近い、あるいは超えているとうことは否めない。そうかも知れぬ。しかし、だからといって近い将来に暴落して日本国経済が大混乱いうふうにも見えぬ。そもそも、日本が混乱に陥るような事態の時には、他の主要国が安泰ということはなかろう。少なくとも断トツの海外純資産保有国の日本ゆえに、日本が危機ということになれば資金のレパトリ(引き上げ)が起きることになる。該当国からのジャパンマネーの引き上げは、それらの国に混乱を巻き起こすことになろう。国債暴落で日本の金融機関が損失を抱えるとすると、損金処理や自己資本比率の関係で米国債を売ることが考えられる。いわば強力な“貸しはがし”が、国際規模で起きることになるのではないか。売られた米国では長期金利が上がってしまう。外貨準備では80兆円からの米国債を保有している。日本国政府は米国からのプレッシャーで米国債など売れない、という話をする人もいる。しかし、国が危機に陥るという究極の環境で気兼ねもプレッシャーもあったもんじゃない、国益優先ということ。こうしたシナリオも机の上の話だが、日本国債の暴落や円暴落を指摘するものに、こうした反対側で起きることを検証しているものはあるのだろうか。読みもしないで書くと叱られそうだが、どうなのか。こうした反対側で起きると思われることも、考慮すべきと思う。確かなのは仮に日本がそのような危機的状態に至るときは、世界もギリシャやスペインの比ではないくらい混乱しそうだ。

ところで、皆さんは日食が見えましたか。

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3 コメント

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Unknown (fairlane)
2012-05-23 01:45:21
軍事力というのは、こういうときのためにあるのではないでしょうか。米国際売るならどうなっても知りませんよと言う恫喝。直接に軍事力を行使しなくても、間接的には出来ます。あえてミリタリーバランスを崩す事も出来ます。
「軍事力を育成するほど儲からないものもない。しかし、軍事力が無ければもっと儲からない」という格言がありますが、これを実践するカタチになりそうな気がしてます。
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日食 (丸亀のkappa)
2012-05-23 01:52:04
うす曇り、メガネを買わなかったので見えませんでしたが、メガネを買った人は見えたようです。
テレビで見ました。
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国債暴落;その時私は (ささやか)
2012-05-23 07:58:14
日本国債暴落、その時私は9,3%3年利付国債を買いました。新聞に、おどろおどろしい記事が並ぶ中で国債を買うのは実に怖かった!お給料の1ヵ月分、恐る恐る買いました。その後はなけなしの貯金をはたいて社債を買い、更にその後は爪に火をともす様に倹約して郵便貯金をしました。それらを頭金にあこがれのマイホームを買ったら住宅バブルが勃発した。
これが私の個人経済史です。
実際にその渦中に身を置いていながら、その日その時何が起こっていたのか良くわかっていませんでした、いつも。
振り返ってみると、経済学の事などわからない私の様な平凡な庶民が、あの日あの時日本国債を買い支えて巻き返したのかも~って気がします。正確には預貯金は間接投資なので大蔵省や金融機関がそう動いたのですが…多分。
いずれにしても、昨日の自分より明日の自分はより良い生活をする自分でありたい、と願う国民が沢山いた。だから、あの日あの時、この国が沈没しないで救われた気がします。
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