先週末のNY連銀ダドリー総裁の講演内容は、3月29日のイエレン議長の講演以来、たたみかけるように追加利上げに対し慎重路線を説く流れを踏襲するものだった。「インフレと成長見通しに対するリスクバランスは依然やや下振れ方向に傾いている」という内容は、これまで以上にハト派的なもので、インフレの見通しについても同じだった。足元で米国のインフレ率は、やや強含みに転じているが、イエレン議長はそれを「持続性に疑問」としたが、ダドリー総裁も「エネルギーやコモディティー価格の低迷は、私が今見込むより根強いディスインフレ圧力を意味しているかもしれない」とするなど、見解は同一線上のもの。
足元で、こうした発言がされるたびにドルは弱含みに推移している。3月のFOMCは当初からドル高の是正を思わせるものがあったが、その当座は「ドル高是正かな?」程度だったが、今やドル安への誘導は確かなようだ。
週明けにもダラス連銀カプラン総裁が、利上げには「慎重で、辛抱強い」姿勢が適切として、データは現時点での金利変更を支持しないという判で押したような内容の発言をしている。FOMC翌週に複数の地区連銀総裁のタカ派的な発言が続いたことがあったが、コロッと変わってしまった。
本日もフィラデルフィア連銀ハーカー総裁(ややタカ派、投票権無)、サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁(中立派、投票権無)、リッチモンド連銀ラッカー総裁(タカ派、投票権無)の発言が予定されている。