亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「騒ぎ」になりそうな南ア・コロナ変異種

2020年12月24日 19時41分19秒 | 金市場
昨日ここに、南アでの新型コロナウイルス変異種の話について、「英国への対応と同様に南ア便の運航受け入れを止めたり制限されると、PGM(白金族)のロジスティクス(供給)に問題が起きないかという懸念が出てくる。今のところ、たいした騒ぎにはなっていないので杞憂に終わればいいが、要注意かと。。。」としたが、騒ぎになりそうな気配だ。。。

報じられているように、その後、英国厚生相が新たな新型コロナウイルスの変異種を発見したと発表した。すでに見つかった変異種よりも、さらに感染力が強いとした。2人の感染者から見つかったもので、いずれも南アフリカからの渡航者との接触があったというものだった。

このウイルスは先週18日に南ア保健省により確認されていたものと思われるが、今月に入り南アでは感染者が急増中で、この変異ウイルスが広がっているとの見方があった。南半球の冬にあたる7月の感染急増の第1波に次ぐ、第2波にあたり現地からの報告では若者の重症化が目立つとされる(英BBC)。南ア全体の累計感染者数は95万人を超えている。

南アでは第1波の感染沈静化を受け10月には国際線旅客機の運航を再開していた。英国政府は直ちに南アへの渡航禁止を打ち出し、南アからの旅客機の受け入れを停止する国が相次いでいる。今年の春に金でも問題になったが、貴金属の輸送は旅客便を使って行われている。受け入れ停止がどの程度続くか不明だが、長期化すれば、プラチナはじめパラジウム、ロジウムなど白金族系(PGM)メタルの供給障害につながる可能性が出てくる。ロジウムなど、今回の問題が起きる前に需給が締まり、すでに値が飛んでいるが、もともと一般投資家というより自動車メーカーなど実需家にとっての問題となる。

もうひとつ、米議会が超党派の賛成多数で可決した追加経済対策法案に異を唱え、拒否権発動を示唆したトランプ動画について、「超党派の合意で可決しているだけにノイズで終わりそうだ」としたが、そもそも、つなぎ予算となっている本予算は28日が期限で、クリスマス休暇もありワシントンを離れている議員も多い中で、それまでに再可決しないと米政府機関で閉鎖されるところが出ることになる。その後、トランプ大統領は、予算案に盛り込まれた国防予算の大枠を定める国防権限法案に拒否権を発動するとしており、米議会はクリスマス休暇明けにどう対応するか。。かかる事態は、ホワイトハウス関係者も寝耳に水の話らしい。

本日のNY市場は、半日立ち合い。従来感覚では参加者は少なく・・・ということで、そう表現されるだろうが、ロボットにクリスマスイブも何もない。そういえば、本日日本時間の夕刻には決着がつく見込みとされた英国とEUの貿易協議だが、土壇場で揉めているらしい。

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