新年明けましておめでとうございます。今年も市場のポイントを取り挙げましょう。よろしくお願いします。
カレンダーの並びで年末年始の休みが長期化した日本だが、NY市場は31日が24年の最終取引。1月2日から25年の取引を開始した。
〇2020年を基点に複数年の上昇トレンド続く金(ゴールド)
歴史的な上昇相場となった2024年の内外金価格だが、2020年に始まった複数年の上昇トレンドの途上での「通貨性の復権」を映した上方修正の動きと捉えている。
ちなみに20年を基点とするのは、新型コロナパンデミックに対抗する意図的な経済活動封鎖の弊害を抑える米連邦準備制度理事会(FRB)による空前の量的緩和策(QE)の着手が、相場の質を変えたことによる。
〇逆風の中で高値圏で推移
昨年末にかけては、米国経済指標の好調さと米連邦準備理事会(FRB)が今後の利下げ方針を緩やかなものに変更したことを受け、米長期金利が4.6%台と約8カ月ぶりの水準まで上昇。米国のインフレ動向や財政政策を巡る不透明感の強さも金利上昇につながっている。金利上昇を受けドルも主要通貨に対し上昇し、ドル指数(DXY)は108ポイント台半ばの約2年2カ月ぶりの水準へ上昇。米長期金利とDXYが高水準で推移するいわば金市場にとって逆風の中で、NY金は比較的堅調に推移し、年末12月31日の通常取引は2641.00ドルで終了していた。
〇24年NY金2010年以来の上昇率
内外主要メディアが取り上げるNY市場の通常取引終値(清算値)ベースで見て、2024年のNY金は前年比569.20ドル、27.5%の続伸で、2010年以来の大幅高となった。
一方、大阪取引所のJPX(日本取引所)金価格は、42%の続伸に。10%の消費税込みで発表される指標的な国内店頭小売価格もやはり24年、グラム当たり前年比3956円、40.8%の大幅続伸となった。内外価格の上昇率の違いは言うまでもなく為替要因(円安が国内価格の押し上げ)による。
〇価格差拡大につながる通貨性の有無
ちなみに他の貴金属を見ると、2024年銀相場は、前年比21.4%の上昇となった。上昇率ではNY金を6%下回り、いわゆる金銀比価は23年末の86倍から24年末は90.3倍に拡大。無国籍通貨として通貨性が注目された金(ゴールド)と通貨性を有しない銀(シルバー)の資産性の違いが価格差の拡大につながっている。
一方、白金(プラチナ)は前年比9.8%安、パラジウムは同18%安といずれも年間ベースで続落した。産業用メタルの世界的需要国である中国経済の低迷がシルバー含め産業用需要の比率の高い貴金属相場に影を落としている。PGM(白金族メタル)については、自動車業界で続くEV化(電気自動車の普及拡大)の波に一時の勢いはないものの流れは着実に進むとみられ、将来需要への懸念が上値を抑えている。
ちなみに年足で上昇したのは一昨年(2023年)はゴールドのみだったので、24年続伸はやはりゴールドのみ。
以前から当欄を読んでもらっている方はご存じの通り、今後も「王道行くなら金(ゴールド)」に変わりなし。
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