亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「株式市場は楽観見通しからの修正局面」

2014年04月11日 22時34分25秒 | 金市場
昨夜は夕刻から詰まっており、中国関連で書こうと思っていた内容があるにもかかわらず未更新となりました。別の機会ということで。

さて前日のNY株の下げで本日のNY株が俄然注目度が上がることになった。現在、午後9時前だがヨーロッパも安いようだ。

昨日は先週の米失業保険申請件数が注目されたが、すでに報じられているように30万件と過去数年見たことのない数字となった。前の週のデータが修正された関係で前週比3万2000件減少と減少幅も大きかった。市場予想は32万件だった。このところの米雇用市場は力強さを増していることは市場でも認識されているが、それでも30万件はサプライズといえる。米国で景気後退が始まる前の2007年5月以来のことらしい。

この水準が続くか状況を見守る必要があるものの、いずれにしても4月は雇用の伸びが拡大する可能性が出てきたことになる。続けば、FRBが強気のスタンスを取ることができるわけで、昨日はこのデータが出る直前のNY時間外で金は1325ドル近辺まで買われていたが、この結果に10ドル近く値を消すことになったのは、言うまでもなく一般的な反応。

しかし、その後に取引が始まった株式市場のさみだれ的な売りの拡大は、やや意外性があった。年始から減速を示す経済指標が続く中でも高値の更新をしていた際に、ここでも楽観が先行というふうに書いたし、また誰の目にも買われ過ぎと映ったと思う。思い描いた回復が近づいてきたことを意味するにもかかわらず、売りで反応ということは、織り込み済みか、あるいはFRBによるTapering(資産買い取りの縮小)の進行が早まるという判断か。

今週は、いつものようにアルミ大手「アルコア」を皮切りに決算発表が始まったものの、改善はすでに織り込み済み。それ以上の先行きの明るさを欲しい市場。とは言え、それほどのものはない・・・・・で、自律的に反落というふうに見えた。あまり気にする必要のなかったウクライナなどの「地政学的要因」も変数に加わって来たこともあろう。。いずれにしても買いにポジションが偏っていた株式市場の自律的な大きめのポジション調整ということか。センチメントからは、楽観見通しの修正ということになる。



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