亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ドル指数の騰勢やまず値動きの重い金、内部要因は整理進む

2018年05月08日 22時41分03秒 | 金市場

週明け7日もドルの騰勢止まず、ドル指数(DXY)は年初来高値を更新。さらに本日の欧州時間には93ポイントを突破し、日本時間の午後10時には昨年12月の水準まで上昇している。

7日に発表されたドイツ3月の製造業受注は、前月比で-0.9%と予想外のマイナスとなった。市場予想は+0.5%と増加予となっていた。悪天候が3月まで続いた影響とされ、早晩、回復がみられるとされるが、他の指標も弱気のものが多い。このニュースもあってユーロドルが7日の段階で一時1.9ドル割れ、本日はそれが定着とユーロに底打ち感が出ていない。一方、円はドルと一緒に買われているので、ドル円に目立った動きはないが、いわゆるクロス円は動いている(円高)。

DXYの上値追いが続く中で、金は頭の重い展開。ただし、週末発表のCFTC(米商品先物取引委員会)が発表したデータによると、5月2日時点でのNYコメックスにおけるファンドのネット買い建て(ロング)は、重量換算(オプション取引を除く)で332トンと大きく減っており、数字を見る分には売りにも一巡感がある。

5月2日時点で前週比で買い建て(ロング)が50トン減少し、売り建て(ショート)が42トン増加した結果ネットのロングが92トン減少となった。4月17日以降の2週間で計175トンの減少となるが、先物市場でこれだけの売り物が出たことを意味する。5月1日のNY市場では、金は一時1302.30ドルまで売られ年初来安値を更新したが、背景となる“売りの規模”が明らかになったことになる。ちなみにネット・ロング332トンは、先年7月以来の低水準となる。

先物市場での先高期待が低下していることを表すが、売りも峠を越えていることを同時に意味する。ただし、足元でドル指数の上昇が続いていることは、ロボットによる金売りもまた継続という見立てとなり、レンジ下限の攻防が今夜も続きそうだ。ちょうど今は、インドの需要期に当たる。実需筋は1300ドル割れを待っているとみられる。年初から、この1300割れを待っているものの、割れない状況が半年以上に及ぶと買いの水準を上げるというのが、経験則。

さて、にわかに伝えられた中国・大連での金正恩、習近平会談。米中首脳会談に向けての根回しといったところか。それよりも、日本時間の明朝3時(現地8日午後2時)にイラン核合意について何らかの発表をするとのトランプ・ツィートがあっただけに、市場は警戒モードにある。


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