亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

過剰流動とロボットに翻弄される市場(広島セミナーのお知らせ)

2016年11月13日 23時25分28秒 | 金市場

週末11月11日のNY市場の金価格は、大幅続落となった。NYコメックスの通常取引は、前日比42.10ドルの1224.30ドルで終了した。

米大統領選で共和党トランプ候補が当選した後の市場は、当初の乱高下の後に一転して新政権の政策方針をポジティブに捉える流れが生まれ、リスク・オンの株高、債券安(金利高)、ドル高に大きく振れている。もともと大幅なカネ余り(過剰流動性)の環境が整っているところに、コンピューター・プログラムに主導されたファンドのロボット・トレーディング(高速自動売買)が、動きを加速させ商品によっては値動きがより大きくなっている。

11日のコモディティ(商品)市場では、前日まで上昇していた産業用素材も含め全面安状態となった。金を含め貴金属の下げ幅も大きくなった。これは債券売り株買いの動きが止まらず、長期金利が上昇し、この金利上昇を映しドル高が続いていることによる。構図としてはドル高のコモディティ売りの動きが出て、米国のインフラ投資とは関係の薄い原油も下げ幅を拡大した。11日の米長期金利は、2.152%と1週間前の1.7%台後半から大幅上昇に。主要通貨のみならず新興国通貨を売って金利の上がっているドルに乗り換える動きが、ドルをさらに押し上げている。

さらに11日は、フィッシャーFRB副議長が、米国景気は十分強く、FRBは雇用とインフレの目標達成に「かなり近い」として、引き締めの論拠は「相当強い」と発言。もともと既定路線として12月の利上げは想定済みではあるものの、足元の荒れた環境の中での発言は一連の流れを加速させたようだ。心理的な節目の1250ドルを割れ、さらに直近の安値となっていた10月7日の1243.20ドルを割れたことで、テクニカルからロボット売りが膨らんだ。

言えるのは、トランプ新政権が実際にどんな政策をとるのか不明の中で、市場は思惑先行で動いており、冒頭で書いたようにカネ余りとロボット・トレーディングが、価格の振れ幅を大きくしているとみられること。トランプ・サプライズの中の特殊な値動きといえよう。したがって、確たる方向性が出ているわけではないと思われる。慌てず落ち着くのを待つのが肝要かと。

さて、関西以西の方にお知らせです。


今週末の11月18日(金)に広島にて金融セミナーを開催します。

「ツツミダ・ゴールドセミナー2017」
場所:ホテルメルパルク広島 6階 安芸の間
開場:18時  開演:18時30分~20時30分
タイトル:「どうなる2017年の金融市場」
  トランプ旋風が吹きすさぶ中ですが、これまでの流れと足元で起きている現象のポイントを
  取り上げ、何に注目すべきなのかを取りあげます。もちろん金市場の動きにも触れます。

参加費は無料。

主催は(一般社団法人)日本金地金流通協会 正会員の堤田貴金属工業(株)です。その名のとおり貴金属の精錬をおこなっている会社で、中四国九州では貴金属専門会社として金地金の生産量がもっとも多い信頼のおける会社です。
残席はわずかですので、ご希望の方はお急ぎください。

お問い合わせは、堤田金属工業(株)まで
連絡先e-mailは、info@gold-tsutsumida.co.jp です。
連絡先FAXは、082-295-0643です。
問合せ先電話番号082-293-2233です。

申し込みは、名前、住所、電話番号が必要になります。
申し込まれた方には、入場チケットを郵送させていただきます。


以上です。新大阪から広島まで1時間半です。

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