週明け5月17日のNY市場の金価格は、昨日触れたようにアジア時間から買いが先行する展開が続き、始終プラス圏での取引となった。NY時間外となる日本時間の午前10時台にはさしたる抵抗もなく1850ドル台に乗せ、アジアの午後、ロンドンの時間帯には1855ドルを越える水準まで上昇。その後はNYの早朝から通常取引入り後にかけて売り優勢に転じ、いったんは1850ドル割れを見ることになった。午前中盤にニューヨーク連銀が発表した5月の製造業景況指数にてインフレに関連した指数が高目に出たことを受け買い優勢に転じ、そのまま1860ドルを突破した。午後に入っても騰勢は衰えず一時は1870ドルに接近するところまで買われ、終盤に向け切り上げた水準を維持し1867.60ドルで終了となった。心理的な節目の1850ドルを越えたのみならず、長期のトレンドを示す現在1850ドル台半ばに位置する200日移動平均線を越えることになった。200日移動平均線を上回ると、テクニカル分析上も強気の見方が増えることになる。
結局、この日の通常取引は終値ベースで200日線を越えて終了。18日の日本時間午前の段階で余勢を駆ってと言うべきか、1874.30ドルまで上値を追ったが、その後は現時点はNYの午前7時半だが、さすがに売りに押され前日の通常取引終値近辺での取引となっている。後、1時間後の通常取引開始後にどんな動きを見せるか。。。。
17日に発表された5月のNY連銀製造業業況指数は24.3と、前月の26.3から低下となった。ただし、支払価格指数は83.5に上昇し、2001年の統計開始以来の高水準となり、インフレ圧力を感じさせる内容となった。この結果を受けて金市場に買いが集まったことからみて、このところの実質金利の低下に反応した上昇に合わせ、インフレヘッジ目的の資金流入が始まっていることを思わせた。14日発表の4月の小売統計が、高水準ではあるもののさらなる過熱を示唆するものではなかったことで、(当座は)インフレ高進は進まず、FRBは早期利上げに踏み切らずに済むとの安心感が広がった。しかし、この日の指標のように価格上昇を示すデータが増えているのも事実で、市場では、連邦準備理事会(FRB)が物価上昇をどこまで容認するのか見極めようとする動きが続きそうだ。
先週末5月14日時点までの金ETFの残高データが発表されたが、世界全体で25.4トンの増加となっていた。後半月を残すが、現在の地合いが続けば5月は4カ月ぶりの増加の月となるが、どうなるか。先週末CFTC(米商品先物取引委員会)が発表した5月11日までの1週間で、NY金先物でのファンドの買い持ち(ロング)は重量換算にして66トン増えていた。いずれも金市場への資金流入が見られていることを表す。
ちなみにこの日、アトランタ地区連銀主催の会合でクラリダFRB副議長は、労働力を含む供給障害の解消で景気回復の加速化が見込まれるとし、米国経済の今年の成長率は「6%を超え、7%に達する可能性がある」とした。3月のFOMCでの見通しの中央値6.5%をさらに上方修正する見方を取っていることを意味する。また同時に、米国経済は「極めて流動的な時期」にあるとし、インフレ見通しに上昇圧力がかかる恐れがあるとデータで示されればFRBは対応するとした。この対応とは何ぞや?ということになるが、一般的には引き締め策ということが考えられるので、やはり緩和方針は修正かという読みを市場がすることになる。ただし、この場合、われわれFRBサイドの見方が誤っても打つ手はあるということなのだが、それはそれで市場は荒れることになりそうだ。
同じ会合でアトランタ地区連銀のボスティック総裁は、現在はFRBの極めて緩和的なスタンスを変える時期ではないとしている。
本日はポッドキャスト 音声バージョンのGold Voice「ショート・トーク」を更新
以下をクリック下さい 約9分
https://anchor.fm/goldstreet1/episodes/011-e113p1v
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17日に発表された5月のNY連銀製造業業況指数は24.3と、前月の26.3から低下となった。ただし、支払価格指数は83.5に上昇し、2001年の統計開始以来の高水準となり、インフレ圧力を感じさせる内容となった。この結果を受けて金市場に買いが集まったことからみて、このところの実質金利の低下に反応した上昇に合わせ、インフレヘッジ目的の資金流入が始まっていることを思わせた。14日発表の4月の小売統計が、高水準ではあるもののさらなる過熱を示唆するものではなかったことで、(当座は)インフレ高進は進まず、FRBは早期利上げに踏み切らずに済むとの安心感が広がった。しかし、この日の指標のように価格上昇を示すデータが増えているのも事実で、市場では、連邦準備理事会(FRB)が物価上昇をどこまで容認するのか見極めようとする動きが続きそうだ。
先週末5月14日時点までの金ETFの残高データが発表されたが、世界全体で25.4トンの増加となっていた。後半月を残すが、現在の地合いが続けば5月は4カ月ぶりの増加の月となるが、どうなるか。先週末CFTC(米商品先物取引委員会)が発表した5月11日までの1週間で、NY金先物でのファンドの買い持ち(ロング)は重量換算にして66トン増えていた。いずれも金市場への資金流入が見られていることを表す。
ちなみにこの日、アトランタ地区連銀主催の会合でクラリダFRB副議長は、労働力を含む供給障害の解消で景気回復の加速化が見込まれるとし、米国経済の今年の成長率は「6%を超え、7%に達する可能性がある」とした。3月のFOMCでの見通しの中央値6.5%をさらに上方修正する見方を取っていることを意味する。また同時に、米国経済は「極めて流動的な時期」にあるとし、インフレ見通しに上昇圧力がかかる恐れがあるとデータで示されればFRBは対応するとした。この対応とは何ぞや?ということになるが、一般的には引き締め策ということが考えられるので、やはり緩和方針は修正かという読みを市場がすることになる。ただし、この場合、われわれFRBサイドの見方が誤っても打つ手はあるということなのだが、それはそれで市場は荒れることになりそうだ。
同じ会合でアトランタ地区連銀のボスティック総裁は、現在はFRBの極めて緩和的なスタンスを変える時期ではないとしている。
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