亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

暫定予算の期限切れに連邦債務上限問題、さらに11月の米雇用統計

2017年12月05日 22時49分58秒 | 金市場

米上院がまとめた税制改革案が可決されたのは現地時間の12月2日(土)午前2時頃のこと。つまり週末のNYの市況に成立方向とは織り込まれていたものの、正式可決を受けて初めて市場が開いたのが4日のアジア市場だった。早朝からドル高傾向となりドル円は早朝の段階で早々に113円台を記録することになった。金市場もアジアの寄り付きは水準を5ドルほど切り下げてスタート。利益確定の売りが出たものと思われた。しかし、その後は目立った売り物は出ず1270ドル台半ばを中心に狭い範囲での取引を続け、そのままロンドンさらにNYの通常取引とこの傾向が続くことになった。結局、4日の金市場は上下7ドル幅に取引が収まるほぼ横ばいで終了することに。

一方、NY株式市場は、税制改革の実現に対する期待を映すかたちでNYダウが大幅反発となり、再び史上最高値を更新して終了。ただし、NYダウの大幅反発の一方で、ハイテク株を中心とするナスダック総合株指数は続落となり、下げ幅も大きめで明暗を分けることになった。セクターローテーション(銘柄入れ替え)という捉え方もできるが、株式市場でも銘柄や業種別に温度差が出ていることをうかがわせ、これまでの強気一辺倒とはやや色合いがやや変わりつつあるのかもしれない。こうした中で、本日のNYコメックスの通常取引は目立った動きなく引き続きレンジ相場なれど売りが先行する展開。

今週は、注目の材料、イベントが週末に重なる。

メインは週末8日に発表される11月の米雇用統計だが、まず同じ日に米国議会が9月に3ヵ月先送りした連邦債務上限適用据え置き期間が切れる。財務省は当座はやり繰り可能と思われるが、すみやかに上限を引き上げる必要がある。さらに3ヵ月限定の暫定予算も8日に切れる。暫定予算については、職員のレイオフ(一時解雇)による一部政府機関の窓口閉鎖を避けるため、民主党議会幹部とトランプ大統領、共和党議会幹部が協議することが4日に合意されている。週内にどのような合意をするか。中間選挙まで1年を切っていることから、そろそろ民主と共和の駆け引きが激化しそうだ。また連邦公開市場委員会(FOMC)も1週間後に迫り、市場の視野に入り始めるタイミングでもある。イエレン議長最後のFOMC記者会見だけに、何が飛び出すか。

それにしてもフリン前補佐官の動きに対する、ツイッターでのトランプ発言の危うさは、周りもハラハラものだろう。

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